ーー現在のように剃り上げるのは、営業というお仕事ゆえに厳しかった?
しらぴょん 家族の希望もあって、坊主にはしなかったんですよね。
鏡を見て「あれ?」
ーーいろいろと気になるところを「変えたいな」と思い立ったのは、離婚されてからですか。
しらぴょん 44歳で離婚をして、そこから8ヶ月ぐらい飲むようになって。ちょっと、同僚たちに「アル中じゃないか」と心配される状態になっちゃったんですよね。朝、出社したらすこし酒くさかったこともあって、上司に怪訝な顔をされたり。
その時ですね。ふと体を見てみたら、自分が思っているような体じゃないなというのに気づいて。
ーーちなみに酒量というのは、どれぐらい?
しらぴょん どれぐらいだろう。1日3軒とか回ったりしてましたかね。仕事が終わって家に帰って、とりあえず車を置いて、飲みに行く。夕飯で1軒か2軒で、最後にもう1軒寄って家に帰るというルーティン。ビール換算で、毎日10杯ぐらい飲んでいたんじゃないですかね。
おつまみ程度とはいえ、3軒回ったら3軒それぞれでなにかしら食べて。家でひとり、飲んでは吐くようなこともしていたので。
ーー離婚のショックを和らげたいがゆえの深酒だったのですか。
しらぴょん 自分に考える時間を一切与えないために飲んでました。時間があると「ああすればよかった、こうすればよかった」とか「もっとなにか方法があったのか」とか「なんで俺は、いまひとりなんだろう」とか、そういうことばっかり考えちゃうので。
もう、自分のことは全否定というか。仕事もプライベートもダメな人間になっちゃったなと思って。そこまで仕事もできるほうじゃなかったけど、これでプライベートもダメなら本当にダメダメだなと。
ーーそうしたなかで「自分が思っているような体じゃないな」とハッとされた。
しらぴょん 飲んで帰って、次の日の朝なんかに鏡を見て「ちょっと体が違ってきてるな……」と。時々でしたけど、ジムには通っていたんですよ。で、ジムで「ベストボディ・ジャパン」というボディコンテストのポスターを目にしたら、18歳から29歳、30代、40代と年代別に分かれてコンテストをやると書いてあって。「40代なら自分もいけるんじゃないか」と。
けど、改めてポスターの人たちと自分を見比べたら、あまりにも違いすぎて「こりゃ駄目だ」と。
ーーそれでもあきらめなかったということですよね。