「火葬中の遺体は、血が噴水のように噴き出す」という噂の真相
よく囁かれている衝撃的な話だが、これこそネットや噂レベルで拡散したセンセーショナルな場面を散りばめた嘘っぽいものだと思われるかもしれない。事実、少し前まで、ネットでは一切このような記述はなかった。
しかし、YouTube チャンネル「火葬場奇談」をはじめてから、ネット上でも取り上げられるようになった。
つまり、これは本当だ。
ピシャっと飛び出る体液
「物体に熱を加えると膨張する」
という原理は、小学生の理科でも学ぶ。
これと同じように、ご遺体も火葬して熱を加えると、パンパンに膨れる。人間の体の大部分は水分が占めているため、熱を加えると水蒸気となり膨張するのだ。
すべての方がそう、というわけではないが、稀にお腹あたりからピューっと血だったり透明な体液だったりが噴き出すことがある。
おもちゃの水鉄砲レベルのときもあれば、それこそ火葬炉の天井までビシャー! っと、勢いよく噴き出すこともある。
職員にとってはありがたい現象
それを聞くと、なんだかグロテスクな……と思われるかもしれないが、ぼく個人としては、このように体液が吹き出しているご遺体を見ると、じつは「よしっ」と思う。
え! なんで? と思われただろう。これには深いわけがある。
先述した通り、人間の体の大部分は水分が占めている。水分は当然、燃焼の妨げになる。骨は火葬時間が短いほど綺麗に残るので、なるべくなら水分を早く飛ばして火葬を早めたいわけだ。
その前提があるうえで、ご遺体から水分(血も含む)が噴き出すと……これは火葬時間を早めるチャンスでもある。
したがって、ぼくはそのような状態のご遺体を視認すると、いつも心のなかで「あ、お手数おかけします……」と思っていた。
まるでご遺体が気を遣ってくれて、「水分出しとくね~」とでも言わんばかりだが、なんとなく「ありがとうございます」と思いつつ、噴き出す血を見ながら、そっと確認用の窓を閉じるのだ。
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