火葬場と聞けば、「遺体を火葬する施設」とイメージできる人が大半だろう。しかし、実際にどうやって火葬を行っているのか、どのような人たちが火葬業務に従事しているのか、という部分は知らない人が多いのではないだろうか。

 ここでは、元火葬場職員で、火葬技術管理士1級の資格を持つ下駄華緒氏の著書『火葬場奇談 1万人の遺体を見送った男が語る焼き場の裏側』(竹書房)から一部を抜粋。「生きたまま火葬してしまった」という噂の真相を下駄氏が解説する。(全2回の2回目/1回目から続く

写真はイメージです ©iStock.com

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もし生きたまま火葬したら……という噂の真偽

 ――生きたまま火葬した事例が…。

 火葬場職員だったという話になると、聞かれるトップ10には入るこの質問。

「なんでこんな質問されるんだろう?」と思っていた。

 そんなに「もしも生きていたら」ということが怖いのだろうか?

 ある日、とあるYouTube 動画を見つけた。

「生きたまま火葬してしまった話」

 皆さんはこのタイトルを見てどう思われるだろうか? ぼくの予想としては「にわかには信じがたいけどありえるかも」と思う方も一定数いらっしゃると思う。それも当然、なぜなら大多数の方々が火葬場のことなど知る由もないからだ。

 では、元火葬場職員のぼくの見解はどうか?

「真っ赤な嘘です」

 これがぼくの見解である。なぜ嘘なのか、皆さんに解説していこうと思う。