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「スイカを餌にしてクロダイが釣れる」説は本当か? 都市伝説を検証してみると、信じがたい大物が…

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 グラニュー糖をまぶすことで、海水に対するスイカの比重を上げて沈めることが可能になる。また、浸透圧で抜けた果汁をパン粉に吸わせて撒くことで、嗅覚を頼りに餌を感知する魚にアピールできる。

 例えば、クロダイが浮かずハネが見られない状況だと、グラニュー糖に漬けたスイカを沈めて底で釣りを展開させる。しかし、今日は浮かせて喰わせる釣りを試したいので半々で使い分けることにした。

グラニュー糖漬けのスイカは沈み、素のスイカは浮かんでいる

 しばらくは半信半疑でカットスイカを撒き続けた。

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1投に10粒ほど投げる

海面にクロダイが沸き上がる信じがたい光景が…

「3Lのスイカだ、いくらでも撒いてやる」と強気の気持ちでいると、海の状況に変化が現れた。

何やら水面に波紋が……

 20m先の海面にもじりが見えた。

 1回見えただけならボラでも跳ねたかと片付けられそうだが、立て続けに3回も波紋が広がった。もしかしてクロダイじゃないかと期待が高まる。

 スイカを追い撒きしてすぐさま仕掛けを投入。その間にも明らかに大きな魚体が水面で反転する様子が見られた。

連続して波紋が見え出した

 ウキ釣り仕掛けにオモリは打たず、水面に浮かぶスイカに付け餌のスイカが同調(どちらもプカプカ浮いている状態)する仕様にした。

 沖に払い出す潮に乗せて仕掛けを流していると、信じがたいことにウキが消えた。間を取ってアワセを入れたが、一瞬重さが乗ったものの針から外れてしまった。

 スイカを付け直して連投すると、またしてもウキが消えた。飲ませる間を長く取り、アワセると今度は針に掛かった。

 フグを連想させるほど引きが弱く、すんなりと手前まで寄って来たが、足元で反転した魚体は紛れもなくクロダイだ。しかもデカい。

足元に来てようやく抵抗を見せるクロダイ

 釣られたことに気づいたのか、抵抗を見せるがネットイン。

クロダイをキャッチ!