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「アイドルやYouTuberは良くも悪くもルックスのバイアスがかかりますよね。それに比べてVTuberは外見にアバターを使っているわけで、その意味でスタートラインはほとんど一緒というか変わらない。

 じゃあ何が重要になってくるかというと、やっぱりその中身がどれだけ面白いか。私はアバターの絵や動きというより、中身だけで勝負する土俵に立っているというところに魅力を感じますね」(高山さん)

 外見を含めて世界観を自由に作れるVTuberだからこそ、よりキャラクターが持つ内面やコンテンツの面白さが際立つということのようだ。

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コミケでも「VTuber」部門が

「VTuberの場合、外見によってフィルターやバイアスがかからないのが魅力というのも分かります。ただ、私は絵を描く友人とかもいるのでルックスも気になりますね。アバターを有名なイラストレーターさんとかが描いている場合、そのイラストレーターはVTuberの体を生み出すという意味で通称『ママ』と呼ばれることが多いんですが、そのママが好きで、『あのVの子を生み出したから見てみようかな』という経緯でハマっていく人もいますしね」

 こう話すのは、実際にファンアートを描くなどの推し活をする田沢裕太さん(仮名)。VTuberにハマってからまだ日は浅いというが、自分なりの楽しみ方を見つけている。

「以前、某VTuberに少しハマっていたんですが、今はにじさんじさんも含めて幅広く楽しんでいます。もちろん配信も見ますが、私の場合は自分でイラストを描いたりするので、ファンアートを描くことが中心です。基本的にTwitterに投稿していて、しばらくしたらpixivにまとめて投稿するというスタイルです」(田沢さん)

 ファンアートとは、漫画やアニメ界隈でも、推し活の王道の一つ。ファンアートを描く有志が集まって即売会を開いたり、コミックマーケットに参加するケースもある。コミックマーケットでは漫画やアニメと同じようにVTuber部門というジャンルがあって、年々規模も拡大しているという。

「例えばpixivであげたファンアートを冊子にして販売することもありますよ。私もにじさんじのVTuberで好きな人がいるんですけど、同人誌とかファンアートとかを即売会という形で頒布する機会は定期的に行われています。

 今年の5月にもちょっと参加したんですが、人出はすごく多かった。即完売みたいなのも全然あったので、ファンアートやグッズなどを買いたいという層もいっぱいいるんだというのを体感しました。

 こうした即売会は基本的に企業が開催するものと、有志が開催するものがあるんですが、オフィシャルなものより有志が集まって開いているものが多い」(田沢さん)