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「1万円あればおいしいご飯を食べたり新しい服を買えるのに、とは思いませんね。もともとそこまでお金を使う方ではないし、生活が苦しくなるということもなかったし。アーカイブとか配信を見ている時間って自分の可処分時間の中ではけっこう大きな割合を占めていたので、趣味として考えるのであれば月に1万円くらいは妥当なんじゃないかなと思います。

 ただ、時間はそれなりに使いますね。一番追いかけていた時期は、だいたい週に2時間くらいの配信が3~5回あって、全部見ていました。今は切り抜きが中心で、たまに気になる配信があれば見に行くという感じで、動画を見るのは週に1時間くらいとだいぶ短くなりました」(高山さん)

 高山さんの推し活はその界隈で一般的だというが、他にもアニメなどで浸透した「聖地巡礼」を実行するファンもいる。

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「配信の企画で出てきた場所に行ったりする、いわゆる聖地巡礼とかもありますよ。月ノ美兎さんだと、『工事費に一億円かかったトイレでカレーを食べる』っていうよく分からない一人便所メシ企画をやったことがあって、ファンの間では、そこのトイレが聖地ポイントになってました」(高山さん)

ファンがせっせと作る「切り抜き」

 また、ファンアートを描いてネットに投稿したり、切り抜き動画を作ってアップする推し活をするファンも少なくない。

「僕はやっていませんが、そういった形で推し活をしている方は結構います。何事もそうかもしれませんが、ネット上で活動する人は、まずは知ってもらわないと始まらない。だから自分の推しをたくさんの人に知ってもらうためファンアートを描いて投稿したり、切り抜き動画を作ったりするんです。

 VTuberの配信はたいていアーカイブになっていますけど、1回の配信が1~3時間とか普通にありますから、それを最初から見るというのはものすごく敷居が高いんです。だからファンアートや5~10分くらいの切り抜き動画で入り口を作ってあげるというのはすごく重要だと思ってます。

 切り抜き動画は配信者の動画から視聴者を奪っているという見方もあるかもしれませんが、現実には切り抜き動画からの流入が結構あるというのは配信者側も分かっているし、たいていは切り抜きについてのガイドラインが、しっかり定められていますからね」(高山さん)

 ここまでの熱量で何かに夢中になったのは、「学生時代の部活動以来かもしれません」という高山さん。現在のVTuber界隈が盛り上がっている状況をこう解説してくれた。