1年間で約1億6000万円の投げ銭を集めたVTuberも
物販が充実している企業勢と違い、小規模な個人勢を推す場合は、どうすれば推しを効果的に支援できるのかまで考えるのだという。
「個人勢を支援するときには、YouTubeであればスーパーチャット、noteとか他の媒体で活動している場合は投げ銭で支援したりもします。あとは、ユーザーが同人誌やグッズなどを販売するブースを作製できるBOOTHというサービスがあって、物販は出さないにしても、例えばイラストとかを販売している場合も結構ある。『BOOTHがやっぱり還元率が一番高いからそこに投げよう』とか、そういう風に考える人もいます。
BOOTHは販売価格に加えて『これはお気持ちです』という形で金額を上積みすることもできるので、こちらでグッズやボイスを購入する人もいますね」(田沢さん)
スーパーチャットは人気者になると1回の配信でかなりの額になる。昨年引退した人気VTuberの桐生ココが2020年の1年間で約1億6000万円の投げ銭(スーパーチャット)を集めたことも話題になった。
「ただ、そういう金額の大きさばかりが話題になってしまうと、世間に誤解されたままVTuberのイメージが広まってしまう危険性があるので、そこは心配です。それに、この前上場したANYCOLORの資料によると、会社全体の収入としてスーパーチャットより物販の方が比率が高いというデータがあるので、最近はそっち寄りにシフトしてきてるのかなという風にも感じています」(高山さん)
ファン同士の仲はいいけれど、リテラシーが気になる人も
推し活の活動は多岐にわたるが、ファン同士のトラブルや、布教活動などで周囲に迷惑をかけたり、SNS投稿などでトラブルになることはないのだろうか。
「同じ箱推しなので、基本的にファンの仲はいいです。ただ、他のVTuberのファン間でトラブルがあったのは見ましたね。といってもイベントに送るフラワースタンドを有志でお金を出し合って作った際、宛名の書き方がどうなんだって話でモメていた程度ですが」(高山さん)
「以前推していたグループの界隈でいざこざがありました。簡単に言えばガイドラインに即してない投稿とか、絵だったらちょっとトレースしているなどリテラシーが気になる人が多くて、別のファンから注意されたりしてたんです。
にじさんじとかホロライブにハマる人は、もともとニコニコやYouTubeを見ていたりして比較的ネットリテラシーが高い人が多い印象ですが、そのグループの場合、主婦層など、あまりネットを見てこなかったファンが多かったからかもしれません」(田沢さん)
いずれにしても、この先VTuber界隈がますます盛り上がるのは間違いないところ。理解できないとか言っていないで、一度くらいは触れてみるのもよいのでは?