〈勉強に手遅れなんて、ない〉〈苦しくても頑張ろうと決めた瞬間、全てが変わる〉〈学ぶ意欲がなければ、いくら教え上手な先生でも役立たずだ〉。力強い見出しに情熱的な文章が続く。精神論に説得力があるのは、著者が韓国の片田舎という不利な環境に生まれながら、実際に猛然と勉学に励み、人生を切り開いてきたからか。韓国では「受験生のバイブル」と呼ばれているベストセラー勉強本が翻訳出版され、日本でも好調な売れ行きを見せている。
「親は子供に勉強してほしいと切実に思っているけれども、むしろ親が口を出すほどやらなかったりしますよね。韓国でもそれは同じで、直接言う代わりにこの本を子供の机の上にそっと置いておくことが、母親同士の口コミで広がり社会現象になった。そうすると子供たちが自発的に勉強するようになる、と。事実、韓国の調査機関のアンケートでは、手にとった中高生の98.4%が『勉強したくなった』と回答したとか。それなら日本の中高生にも大きな影響を与えられるのではないかと感じました」(担当編集者の武井康一郎さん)
日本では、20~40代の資格取得などを目指す社会人からの反響が大きかったのも嬉しい誤算。10代を導く教育者からも注目されている。贈り物需要も高い。学びへの後押しを求める人は、世代を問わず存在している。