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大阪、十三にはグランドキャバレーが営業中だ。
1969年に創業した「グランドサロン十三」は、現在も30名ほどのホステスが在籍するキャバレーとして営業するほか、最近は撮影にも多く使われている。
隙間なく並ぶ青いベロアのソファは特注品。創業当時から使い続けているもので、壊れても代わりがないため、修繕しながら大切に使われているそうだ。同じく壁紙も照明も、創業当時こだわり抜いて揃えた一級品ばかり。そのため歴史を重ねてもなかなか傷まない。
ステージでは現在カラオケを楽しむことができるが、かつては生バンドが演奏する中、無名から有名まで多くの芸能人が日替わりでステージに立っていた。ギャラは1ステージ30万円で1日2回。ギャラの安い日はストリップが1ステージ10万円ほどで演っていたという。ステージは後ろに下がることもでき、キックボクシングの試合や、社交ダンスのパーティーなど、現在までに様々な使われ方をしている。最近ではアイドルが撮影で使ったことで客もホステスも増え、ひとりで来る女性客も多くなったという。
これからのキャバレー
昔を知る人々にとっては懐かしい。今の若者にとっては見たことのない新しい世界。訪れることで輝いていた時代の活気を追体験できるキャバレー空間は、昨今の昭和レトロブームとも相まって、これからさらに求められていくのではないだろうか。イベント開催をはじめとした多様な活用が広まれば、残り少ない全国のキャバレーは必ずや盛り上がる。そして、閉店してしまったキャバレーが復活するかもしれない。そんな未来を期待しているのだ。