文春オンライン

“プーさん”こと習近平が国家主席3期目。日本にとって他人事ではない「煮えゆく台湾有事」の行方

危機を煽り過ぎなのか、必要なお膳立てなのか

2022/10/27

 注目されていた、中国の最高指導者である国家主席は、習近平さんが3期目をやることで固まりました。

 ついでに中国共産党大会で胡錦涛前主席が途中退席させられてしまい、こんなの絶対「映像の世紀」で使われるやろというイベントが発生しました。表向きの「体調不良」という理由とは異なり、実際には前例のない降格を余儀なくされた李克強さん人事への反発・抗議の結果とも言われております。いやー、大丈夫なのでありましょうか。

中国国家主席の任期を2期10年としていた理由

 これと並んで、ただでさえ強固と見られた習近平さん指導体制がさらに身内で固められ、なかでも物議を醸した上海市のコロナ対策でのロックダウンで強権を発動していた李強さんがナンバーツーに抜擢されるなど、なかなかストレートに俺様人事をしたので悩ましいところです。

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ネット上で「くまのプーさん」に似ているとネタにされる習近平国家主席 ©時事通信社

 面倒くさいのは、この習近平さん、いわゆる「ひとつの中国『原則』」で、ほぼ台湾を名指しして事実上の併合を目指す発言を繰り返ししておりました。もともと2012年に習近平さんが中国共産党の最高職である中央委員会総書記と軍の統帥権を握る党中央軍事委員会主席に選出されるにあたり、公約として台湾統一・併合を企図する内容を掲げています。本当に頑張るぞという話であるならば、そのタイムリミット的には「3期目終わりの2028年までには台湾に対して中国は何かしますよ」という話になり、物騒なことこの上ありません。

 なぜ中国国家主席の任期は2期10年をリミットにしていたのかといえば、毛沢東さんが派手にやらかした文化大革命でたくさんの中国人民が飢餓や派閥争いで亡くなってしまった事態に対する反省があったからと言えます。毛沢東さんへの個人崇拝が惨事を招いた教訓から、1980年以降、中国共産党で長老的立場にあった鄧小平さんが中国を集団指導体制として、国家主席を2期10年までと明文化しておったわけですよ。

香港の民主主義的な要素は中国当局によって粉砕

 ところが、習近平さんが2018年にこの集団指導体制と国家主席は最長2期10年までという仕組みを事実上撤廃した以上は、その大義名分、根拠となった台湾統一を成し遂げなければなりません。東アジアやASEANの安全保障を専門とする人たちが、大変なことになったと頭を抱えるのもこの辺が事情とも言えます。