林 ただ、それだけで終わらないのがセガらしいなって思うんですけど、この『エコー・ザ・ドルフィン』、メガドラ史上に残る異常な難易度なんです。中盤以降、結構衝撃的なSF展開になるにもかかわらず、そこまで辿り着くことなく、ほとんどのプレイヤーが途中で挫折する(笑)。
その結果、挫折したあとは「イルカを泳がせると気持ちいいなあ」っていう環境ゲームになる、という。今回メガドライブミニ2には続編もカップリングした『エコー・ザ・ドルフィンCD』が収録されてますから、この機会に遊んでみてほしいですね。
メガドライブミニ2が描く「歴史のif」と「ゲームの未来」
――いろいろお話をお聞きしてきましたが、そんなメガドライブミニ2、『CONTINUE』編集長の林さんから見た一番の魅力は?
林 前編で『スペースハリアーⅡ』の話をしたじゃないですか。メガドラに拡大縮小の機能がなかったがゆえに、ローンチタイトルの『スペースハリアーⅡ』がファンにとって期待外れに終わったって話。
だから、当時のセガファンは思ったはずなんですよ、「メガドラに拡大縮小機能があれば!」「それさえあれば、メガドラは覇権ハードになれたのに!」って。今回メガドライブミニ2には、そんな拡大縮小機能に対応した『スペースハリアーⅡ』が新たに収録されているんです。そうやって「歴史のif」をセガ自身が体現している。
――あり得たかもしれないメガドラとゲームの未来が詰まっていると。
林 架空戦記どころの騒ぎじゃなくて、セガは本気で、メガドライブのストーリーを描き直そうとしているんですよ。ほとんど妄想に近い試みでもあって、パラレルワールドの領域なんですけど(笑)、そこまでやってくれたら、もう、感動するしかないですよ。
メガドライブミニ2そのものが究極の自主製作であり、夢の結晶でもあって、もうひとつのセガの歴史なんです。だから、もう、セガ大好きですね、僕は。
――林さんは、そんなセガに次は何を期待しますか? メガドライブミニ3?
林 いや、ここまで見事にメガドライブを総括しちゃったわけだから、次は、やっぱりサターンミニじゃないですか? ドリキャスミニでもいいですけど、今度はセガがプレイステーション陣営を倒して覇権ハードを勝ちとる「歴史のif」を見てみたいですね。