文春オンライン

「人間のように生きる権利はない」と思った過去…ドールモデル(29)が明かす、仮面をかぶり始めたワケ

ドールモデルmillnaさんインタビュー#1

2022/12/04
note

 それに、「男性からモテるためにはこうするべき」みたいな、男性に好かれるための表現がたくさん使われていた。それと自分を照らし合わせて、私は世の中から求められている女性ではないと思ってしまって。

人形を被ると本来の自分に戻れた

――では、人形になると目的はご自身のコンプレックスを隠すことなのでしょうか。

millna たしかに最初は、顔を隠してニュートラルな状態に持っていくことで、みんなと同じ人間扱いされようとしていた気がします。

ADVERTISEMENT

これまでに作製したドールマスク

 でも、マスクを被って人形になった時に「これが私だったんだ」って気づいて。私が抱いていたコンプレックスって、自分の顔が嫌とかではなく、人形でないことへの違和感からきていたんだなと。

 だから顔を隠して別の美しい誰かになりたいわけではなくて、本来の自分になることふが目的なんです。コスプレは自分じゃない誰かになりたいという変身願望があってやっている人が多いと思いますが、私は本来のあるべき姿に戻るという回復願望があるからドールモデルになっているんです。

 私の本来の顔はこの人形と同じく、まつ毛がバサッとした伏せ目に、小さな鼻や顎、厚い唇だったんだって。おかしいことを言ってると思われるかもしれないですが、つまりこの状態であることが本来の自分に戻れるということなんです。

写真=平松市聖/文藝春秋

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

「人間のように生きる権利はない」と思った過去…ドールモデル(29)が明かす、仮面をかぶり始めたワケ

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー