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「外国人と日本人のヤクザみたいな風貌の大学生が目の前で急に殴り合いの喧嘩始めたんです。色んな人にぶつかって、酒はこぼれるわ、血が飛び散るわ。初めてハロウィーン来たんですけが、本当に乱闘とかあるんだなって。すぐセキュリティに取り押さえられていましたけど」

座り込んでの路上喫煙、路上飲酒は当たり前状態 Ⓒ文藝春秋 撮影・宮崎慎之輔

 宴は続く。渋谷の街に隣接する高級住宅街の松濤や、普段は静かな神泉でもいたるところで若者がたむろしていた。車から大音量の音楽を流し、叫び飛び跳ねていた。通行禁止の道をバイクが走り去るなど、完全な無法状態となっている。警備員が「もうこれ、どうにもならないですよ」とさじを投げる狂乱のまま、夜は更けていった。

駐車場も占拠 Ⓒ文藝春秋 撮影・上田康太郎

 空が白くなり始めた午前5時。クラブやラブホテルが立ち並ぶエリアから吐き出された多くの仮装姿の若者が駅に向かっていた。その道中は男性たちが最後の追い込みとばかりにナンパを繰り返していた。

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「ナンパはしましたけどうまくいってませんね。3、4件はラインとインスタは聞けたかな。送ってみたけど、まあ返ってきませんよねー。今は帰るかどうするか、ホントに迷ってるところ」

空が白々しはじめても騒ぎは続いた Ⓒ文藝春秋 撮影・上田康太郎

 あまりにもしつこいナンパに、女性からは迷惑しているという声が多かった。

タチの悪いナンパが多い

「ナンパを断ったら、スマホ取りあげられたんです。走って追っかけてたら、別の男性が取り返してくれました。でも、今度はその人が『助けたんだからライン教えて』って。断ったら去り際に舌打ちされて、『死ねブスが』って叫ばれました。なんか人間が怖くなっちゃって。大人しく帰ります」

ナンパは至るところで行われていた Ⓒ文藝春秋 撮影・上田康太郎

 ある女性は記者の取材に対し、今しがた体験した“恐怖”をこう語った。

「さっき、お姉さんちょっとこっち来てって言われて見たら、男性が下腹部を出してたんです。そのまま『見て見て〜』って立ちション見せられました。『あー最悪だねー』って言ったらすごい笑っていましたよ。何がしたいのか、何が面白いのか全部わかんなくて怖かった」

区の職員と民間の有志たちのハロウィーンは終わらない Ⓒ文藝春秋 撮影・上田康太郎

 一晩でゴミと排泄物と吐瀉物にまみれ、モラルを失った渋谷の街。後始末に費やされる税金は5000万円である。狂乱は31日の月曜日まで続くのだろうか。
 

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