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「朝倉さんが決める時にゲンナマを出さないと」

「本当に朝倉さんのキャスティングが可能か確認すると、B社側は『大丈夫です。何度も朝倉さんと話して300万円で受けてもらえる話になっている』と強気でした。しかし『最終的に朝倉さんが決める時にゲンナマ(現金300万円)を出さないと決めきれない』と言うんです。それで交渉のために先払いが必要だと言われ、1月28日にコンサルティング契約書を交わしたうえで、着手金として1月28日に200万円、2月4日に300万円をB社の口座に振り込みました。しかしその後『朝倉氏は300万円では受けませんでした。1200万円から1500万円が必要』と言われ、話が変わり始めたのです」

朝倉未来は9月にボクシングの元世界チャンピオンであるメイウェザー選手とエキシビションマッチを戦った

 A社の社長はこの頃からB社に対して不信感を抱き始めたという。B社の窓口だった担当のC氏とはどのような人物なのだろうか。

「C氏は自分のことを『昔、ヒカキンとも一緒にやっていて、YouTuberはみんな自分にやり方を聞きに来ていた。その頃からノウハウを教えていたからみんな友達。YouTuber業界で僕のことを知らない人は“もぐり”ですよ』と自信たっぷりに話していました。しかし、ネットで彼の名前を検索しても出てこないんです」(同前)

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 B社はA社に対して、朝倉氏の代わりのキャストとして「代わりに登録者数100万人のYouTuberがOKしてくれている」と提案してきたという。

らすかる新井ならば「100万円で大丈夫」

「『そのYouTuberは誰ですか?』と聞いても、『正式に契約していないから言えません』の一点張り。2月中旬にようやく『らすかる新井』さんだと聞かされ、報酬も『100万円で大丈夫』ということでした。B社とらすかる新井さんの間で交わされた業務委託契約書(2022年2月17日)も確認して、朝倉さんから新井さんへの変更を受け入れました」(同前)

 取材班が入手したB社と新井氏の契約書には、「商品PRのPV出演」とともに、「YouTubeチャンネルでの告知」が明記されている。A社が新井氏の影響力に期待をしていたのは明らかである。

B社とらすかる新井氏の間で交わされた契約書。らすかる氏の業務内容として「YouTubeチャンネルでの告知」と書かれている

 B社と新井氏の契約締結後、4月9日には神奈川県内の病院で、サプリを監修した理事長と新井氏の対談動画が実際に撮影された。

「らすかるさんと理事長の対談を1時間ほど行って、15分ほどの動画も3本撮りました。撮影には私とB社のC氏も立ち会っています。C氏はプロのカメラマンを呼んで現場を仕切っていました。らすかるさんはサプリに関する下調べもしてきてくれたようで、理事長との会話も弾んで現場の空気はとてもいい感じでした」(同前)

 しかし、撮影から半年以上が経った現在も、新井氏の公式YouTubeチャンネルに動画はアップされていない。