「今年の2月頃にA社のサプリメントの案件で病院の先生と対談してほしいと言われて、『いいですよ』と二つ返事で受けました。連絡をくれたのはコンサルティング会社のB社の人で、何度か仕事をしたことがありました。『契約書を送っておくからサインして返してください』と言われて、信頼してしまいました。トラブルになっていたのは初耳ですが、正直、僕も契約書すべてに目を通さずサインしてしまったのは事実で、確認が甘かった部分はありました」

 文春オンラインの取材にそう語るのは、チャンネル登録者数114万人の大食いYouTuberのらすかる新井氏(31)だ。

YouTuberのらすかる新井氏

 らすかる新井氏は2017年3月にYouTuberとして活動を始め、2017年10月に放送された「元祖!大食い王決定戦」(テレビ東京)で準優勝し、勤めていた不動産会社を2018年に退社。YouTuberとして本格的に活動をスタートさせると、身長173センチ、体重65キロと細身だが、10キロ以上の料理を食べ尽くしたり、全国を飛び回ってはテーブルいっぱいの料理を胃袋に納めてしまう豪快な大食いが人気となる。巨大なチョコパイと生クリームを食べる動画は100万回以上再生されている。

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 しかし今回、その新井氏の周辺で金銭トラブルが発生している。

「朝倉さんに300万円…」

 事の発端は今年1月、神奈川県内の病院の理事長が監修する健康サプリメントの販売を請け負う神奈川県のA社が、B社に販売促進のためのECサイトの制作とあわせて、インフルエンサーを起用したマーケティング施策を依頼したことだった。A社の社長が語る。

A社とB社が締結したコンサルティング契約書の一部

「打ち合わせの席でB社の担当C氏から『格闘家の朝倉未来さんを起用してウェブでマーケティングをしていきたい。朝倉さんは動画撮影などトータル1000万円で請け負うと言っている』と言われました。1000万円は予算オーバーだと話すと、C氏は『では朝倉さんに300万円、ECサイトの制作や撮影費用としてB社に200万円の合計500万円で請け負います』と言いました。影響力のある朝倉さんが宣伝してくれるのならこの上ないと考え、話を進めることにしました」

格闘家でYouTuberの朝倉未来氏 本人インスタグラムより

 格闘家、YouTuberとして活動する朝倉未来氏はチャンネル登録者数290万人以上のトップYouTuber。直近のオーディション動画の再生回数は800万回を超えるなど、その影響力は大きい。そしてA社の社長はこう続けた。