「地獄に落ちるわよ」
2000年代前半、インパクトのある毒舌で一躍有名になった占い師・細木数子さん。著書である『六星占術によるあなたの運命』は累計1億冊以上を売り上げ、『ズバリ言うわよ!』をはじめ数々のテレビ番組でも活躍した。
そんな彼女が後継者として指名したのは、娘の細木かおりさんだった。2021年に83歳で亡くなった数子さんの跡を継ぎ、世界にただ一人の六星占術継承者として活動している。
実は、かおりさんは数子さんの実の娘ではなく、血縁上は“姪”にあたる。2016年に養子縁組を経て、戸籍上母子の関係となったふたりだが、その絆は幼い頃から強かったという。
第1部では、かおりさんに幼い頃の数子さんとの思い出を伺った。(全3回の1回目/結婚編、継承編を読む)
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数子さんを「ばあば」と呼んでいたかおりさん
――かおりさんは、血縁上は細木数子さんの姪だと伺っています。
細木かおりさん(以下、細木) そうです。でも、私にとっては昔からおばあちゃんのような存在で、「ばあば」と呼んでいました。
――おばあちゃん?
細木 3歳くらいまで一緒に住んでいて実母以上に世話をしてくれましたし、その後別々に暮らすようになってからもよく「ばあばの家」に遊びに行っていました。
幼い頃は本当におばあちゃんだと思っていましたね。物心ついてから、実は伯母だと知ったときはびっくりしました(笑)。私が「ばあば」と呼ぶのを嬉しそうに見つめてくれる、優しい伯母だったんですよ。
――幼い頃は一緒に住んでいたのですね。
細木 私の実母はシングルマザーで、私のすぐ下に年子の妹もいました。それで母(細木数子さん)が「私も一緒に子育てするから、一緒に住もう」と提案したそうです。
そこから、当時まだ赤ちゃんだった妹は実母が、長女の私は母がお世話をする、という分担に自然となっていったのだと思います。おむつかぶれをした時に夜通しコットンでおしりを拭いてくれたり、体調を崩した時に病院に連れて行ってくれたりしたのも母でした。
――なぜかおりさんが3歳の時に別居することに?
細木 私が「ばあばっ子」すぎたことが原因らしくて……。実母がいなくても泣かないのに、母が視界から消えると大泣きしちゃう。母も実の子どものようにかわいがってくれて、
実母に「かおりを養子にしたい」と相談したそうで。それで、実母が「このままだとかおりが本当に姉の子になっちゃう!」と慌てて別居した、と聞いています。
――実の母が嫉妬してしまうくらい、仲が良かったのですね。