文春オンライン

2022/11/18

マナーには厳しい人だったけど「怖い」と思ったことはなかった

細木 私にはいとこがたくさんいました。母からすると甥っ子姪っ子ですね。実母が高齢出産だったこともあり、私と妹は他のいとこたちと20歳近く年が離れていたんですよ。久しぶりにできた姪っ子で、母は嬉しかったのでしょうね。

 それに、他のいとこたちは母のことを怖がっていたので、恐れず懐いてくる私が可愛くて仕方なかった気持ちが今なら分かります(笑)。

©️釜谷洋史/文藝春秋

――かおりさんは怖くはなかったのですか?

細木 マナーには厳しい人だったけど、それに対して「怖い」と思ったことはなかったですね。

 お母さんやおばあちゃんに注意されても怖いとは思わないけど、伯母さんに注意されると怖く感じることってないですか? おそらく、いとこたちからすると「伯母さん」だから怖くて、私は「おばあちゃん」だと思っていたから怖くなかったのだと思います。

――マナーに厳しいとは?

細木 一緒に住んでいる頃は自宅に母の来客が多かったんです。小さい子どもだと「客が来ても人見知りして挨拶できない」ってよくあることだと思うのですが、母は絶対に許さない。

 他にも、食事のマナーや身の回りの整理整頓、玄関の靴を揃えるなどのマナーに関しては容赦なかった。ただ、どれも子どもながらに「大事なことだな」と思えたので、怒られても「嫌い」「むかつく」とは思いませんでしたね。

 とはいえ、みなさんご存知のように母は言い方がきついので……(笑)。私と違って「怖い」と思ってしまう人はいたかもしれません。でも、「来てくれた人が不快にならないように」「私たちが将来困らないように」と思っての厳しさだったんですよね。

本人インスタグラムより

節約する一方で、必要だと思ったらお金を惜しまない人

――細木数子さんと言えば、豪華な暮らしぶりでも注目を集めていましたよね。

細木 プライベートの暮らしでは節約するところは徹底して節約する人だったのですが、一方で必要だと思ったものにはお金を惜しまない人でしたね。例えば、家を建てる時は徹底的に材質にこだわるとか、建ててくれる職人さんも一流の信頼の置ける人にお願いするとか。

 日本の伝統や文化が大好きな人だったので、「自分がお金を使うことで日本の財産が残せるなら」という思いもあったのかもしれません。

――かおりさんのために自宅にプールを作ったという話を聞いたことがあります。

細木 私がプールに行きたいって言ったら、「混んでいるところにわざわざ行くくらいなら、うちに作ればいい」と大人が潜水できるくらいの深くて広いプールを作ってましたね。その他にも、ブランコや滑り台など、公園にあるようなしっかりとした遊具を庭に設置していたことも。やる時は本当に豪快なんですよ。

 あと、月に1回外食に連れて行ってくれたのですが、その時は絶対に高級レストランのフルコースでした。小さい時から最高級のものに触れることで、感性を磨いたりマナーを身に着けたりして欲しいという思いがあったのだと思います。でも、当時幼稚園児だった私にフルコースの良さはあまり分からなかったですね(笑)。それよりもファミレスやマクドナルドに行きたいなって思っていました。