自分の感性に近いと感じた夫と19歳で結婚
――そこからどうして結婚することに?
細木 なぜ占いどおりにしたのか話を聞いたところ、「家族に彼女との結婚を反対され、どうしたらいいのか分からず困っていたから細木さんに相談した。『別れなさい』と言われたことで、自分も本当は結婚に不安を感じていたことに気付けたから」だと。
家族を大事にするところが自分の感性に近いな、それに思ったより普通の方だなと安心して(笑)。それから何度か会ううちに、彼の優しさや面白さに惹かれ、私が19歳、彼が25歳の時に結婚しました。
――結婚後はどのような生活を?
細木 結婚後すぐに妊娠したので、出産準備のためにしばらくは母の持っていた都内のマンションに住まわせてもらっていました。でも、3ヶ月ほどでマンションを出て、その後は夫の稼ぎのみで生活していましたね。「結婚したら苦労してでも家族でがんばりなさい」というのが母の教えだったので。
都内のマンションは家賃が高くて住めなかったから、神奈川県で43m²駐車場つきの家賃8万の木造アパートを借りて、子どもが3人生まれた後もしばらく家族5人で住んでいました。2階なのにエレベーターがなかったから、ベビーカーを抱えながら上り下りしたりして。
家計のために、写真用品店で接客のパートをしていたこともあるんですよ。でも、3人目の妊娠中に切迫流産になってしまったから、辞めざるを得なくて……。その後は専業主婦として、節約に勤しんでいました。買い物もスーパーのちらしとにらめっこして、特売品や割引シールがついたものをまとめ買いしていましたね。
「私の後継者にならないか」と言われて
幼い頃から漠然と「母はすごいな」と思っていたけど、母の支援がなくなったことでその偉大さを身にしみて感じました。家族だけでやりくりするのは大変なことも多かったけど、家族みんなで工夫しながら生活するのは楽しかったし、幸せだったのですが……一番下の子が小学校高学年になり生活もかなり落ち着いてきた頃、母から「私の後継者にならないか」と言われたんです。
――後継者になってほしいと言われて、どう思ったのでしょう?
細木 その時は、絶対になりたくないと思っていました。母の後を継ぐとなると、これまでの生活は一変してしまう。お金はたくさん入るかもしれないけど、家族5人の穏やかな暮らしはできなくなってしまうかもしれない。
小さい時から母を間近で見てきたから、この仕事の怖さもよく知ってましたし……。
――怖さ?