――勝つ勝たないではなく、どこまで引っ張れるか、倒されるにしても“映え”を意識したと。
後藤 そうですね。一回転ばされて、立ち上がろうとしたら勢いのある蹴りが飛んできて、それでちょっと立てなくなっちゃって。本当は、あともう一回は立ちたかったですけど。なんでもありのルールだったので髪の毛を掴もうと考えたけど、掴めないようにコーンロウに編んで、対策してきていましたね。もう、殺気も違いましたし。
僕は「BreakingDown/ブレイキングダウン(ABEMAなどで配信の格闘技イベント)」出場のためにジムに通っていて、そこでプロの試合に出られている方とスパーリングなんかしてもらってますけど、その人たちとも比較にならない圧や覇気を感じました。
試合後の骨折は「放置するしかない」
――試合後に左目の眼窩底骨折が判明しましたが、折れた自覚は。
後藤 眼窩底骨折したのは初めてだし、皮膚も切れちゃっていたので、切れた痛みなのか折れた痛みなのかわからなかったですね。控室に戻ってドクターチェックを受けて、病院に行ったら眼窩底骨折だって。
眼窩底骨折で深く窪んでしまった場合は手術らしいんですけど、僕はそれほどじゃなかったみたいで「放置するしかないですね」っていう診断で。目もぜんぜん見えたし、入院もしないでそのまま家に帰りました。
翌日は経験したことのない筋肉痛に襲われたんですけど、妻が一晩中アイシングしてくれました。
首にあった鯉のタトゥーを除去した経緯
――朝倉さんとの試合がきっかけとなって、首にあった鯉のタトゥーを除去することになったそうですね。お母様と除去を約束していて、以前から消したいとおっしゃっていましたが。
後藤 母が生前、「服を着ても見えるところだけは消してほしい」って。
出所した直後にタトゥーを消してもらえるクリニックを何軒か訪ねたんですけど、見積もりしてもらったら結構な金額だったんです。出所したばかりでお金もないし、働いてお金を稼いでも生活費に優先して回さないといけないので、消したい気持ちはあってもなかなか動けなくて。
そうしたら今回、朝倉さんにサプライズ・プレゼントとしてお声掛けしてもらって、消すことができました。