大坂被告に対しても、検察側は「被告が殺害現場にいるのを見た」とする目撃証言を立証の柱に据える。
「一方の大坂被告は初公判の冒頭、手元のメモを読み上げるように、『証拠とされた当時の参加者の供述調書は、取調べを行った官憲による創作文でしかない』と主張。『すべての容疑について事実はない。無実であり、無罪だ』と5分以上にわたり、起訴内容を否認しました」(同前)
裁判員を除外した異例の態勢
証拠も限られている中、検察・弁護側の全面対決になりそうな構えだが、実は今回の裁判では、異例の態勢が取られていた。
「殺人事件で本来なら裁判員裁判となるところですが、過激派のメンツをかけた裁判ですから、何を仕出かすかわからない。中核派に襲われる可能性もあるとして、裁判員を除外した職業裁判官3人の審理に変更されました」(司法関係者)
迎えた初公判の日、地裁周辺には拡声器を持ち、大坂被告の無罪を訴える支援者らが登場。彼らの動向を監視する公安関係者と見られる男性らの姿もあった。
「冒頭から、高橋康明裁判長は傍聴席に向かって『大きな声や拍手は審理の妨げになる』と、やはり異例の注意喚起を行いました。ですが、その日のうちに『大坂さん頑張って』と叫ぶ支援者が出るわ、次の日の公判では元警察官の証言中に『嘘つけ、お前!』と叫んだ支援者が退廷させられるわ……大荒れの法廷となったのです」(同前)
老いた“革命戦士”本人への被告人質問は来年4月以降になる見込みだ。