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木村拓哉(49)が「信長まつり」に登場…24年前に演じた“はじめての織田信長”が意外とハマり役だったわけ

2022/11/06
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 きょう11月6日、岐阜市で開催される「岐阜市産業・農業祭~ぎふ信長まつり~」の騎馬武者行列に、木村拓哉が織田信長に扮して参加する。これは、木村が来年1月公開の映画『THE LEGEND & BUTTERFLY』で信長を演じたことをきっかけに実現した。

 木村拓哉が信長に扮するのは今回が初めてではない。2011~15年に放送されたトヨタ自動車の「ReBORN」と題する一連の企業CMは、木村扮する信長が、ビートたけし扮する豊臣秀吉とともに現代の日本に生まれ変わって旅をするという設定だった。さらにさかのぼれば、1998年3月にTBS系で放送されたスペシャルドラマ『織田信長 天下を取ったバカ』で若き日の信長を演じている。ここでは、改めてこのドラマについて振り返ってみたい。

「ぎふ信長まつり」パンフレット

『織田信長』視聴率は21.8%

 ドラマ『織田信長』出演当時、木村拓哉はSMAPに所属しながら個人でもすでに幅広い活躍を見せ、高い人気を集めていた。ドラマでも、山口智子と共演した『ロングバケーション』(1996年)など主演作があいついでヒットする。『織田信長』も、視聴率こそ21.8%と、当時のほかの主演ドラマとくらべればやや落ちるものの、話題を呼んだ。

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『織田信長』の脚本を担当した井上由美子は、前年の1997年放送の『ギフト』で初めて木村の主演作品に携わり、本作のあとにもたびたびタッグを組んでは、『GOOD LUCK!!』(2003年)や『BG~身辺警護人~』(2018年)などの人気ドラマを生んでいる。演出の生田滋朗も、このあと2000年に木村と常盤貴子主演の『ビューティフルライフ』を手がけ、平成のドラマでは2位となる高視聴率を記録した。
 

『ギフト』(フジテレビ系、1997年)

『織田信長』の原作は、昭和の戦前から戦後にかけて活躍した作家・坂口安吾の作品集『信長/イノチガケ』(講談社文芸文庫)だ。同書には表題に掲げられた長編「信長」をはじめ歴史小説やエッセイが収録されている。“安吾とキムタク”という組み合わせは異色ながら、小説「信長」の信長が結婚したばかりの妻・濃姫に《オレはまだアンタをもらっていないのさ。人はもらったと思ってるけど、オレだけはね。だけど、いまに、もらうつもりだ》などと現代語で語りかけているのを読むと、意外と木村のイメージに合っているような気がしてくる。ちなみにここに引用した信長のセリフは、ドラマのなかでも形を変えて使われている。