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「ジャニーズ創業家のジレンマ」とは…? 「滝沢秀明の電撃退社」「キンプリ脱退劇」を新聞各紙はどう報じたか

「ジャニーズ創業家のジレンマ」とは…? 「滝沢秀明の電撃退社」「キンプリ脱退劇」を新聞各紙はどう報じたか

2022/11/08
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東スポで発見、「関係者」の辛辣なコメント

 さて、朝刊スポーツ紙に対し夕刊スポーツ紙(東スポ)やタブロイド紙(日刊ゲンダイ・夕刊フジ)という存在もある。こちらはそもそも刺激分が高い媒体であり、ジャニーズと特に付き合いも無いので「関係者」のコメントがさらにえげつない。その分、内容を信じるか信じないかという読者の受け身の取り方が問われる。

 東スポでは「ある芸能関係者」が次のように話す。

《一時は嵐の後継者ともいわれたキンプリですが、その嵐の松本潤がキンプリのことを気に入り、ライブをプロデュースしたいと申し出たことがあったそうです。ところが、その申し出をキンプリは断ってしまった。それ以来、ジュリーさんはキンプリに冷淡になったと言われています。ジュリーさんが嵐を育てましたからね。実際、テレビ局がキンプリを使いたいと懇願しても、なかなかOKがもらえない時期があった》(『キンプリ3人退所 ジュリー社長の不評買った 松潤拒否事件』11月6日付)

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嵐は2020年に活動を休止 ©文藝春秋

ゲンダイは「創業家のジレンマ」に着目

 日刊ゲンダイでは「芸能プロダクション関係者」がタッキー退所について、

《表向きは滝沢氏の意向による円満退社ということですが、滝沢氏本人がコメントを発表していないこと、条件などをジャニーズ事務所と本人が弁護士を通じて話し合うことなどから、マネジメントなどを巡り事務所総帥の藤島ジュリー景子氏との確執説が根強くあります》(11月7日付)

 もっともゲンダイはこの記事で『後継者育成できない 創業家のジレンマなぜ起こる?』というように企業の問題として書いていた。

 タイトルにある「創業家のジレンマ」とは、

《自分にモノ申すような地位を脅かす存在を極端に嫌う一方で、自分の経験や価値観で測るので自然と後継者に厳しくなり、いざ椅子に座らせても長続きしないことが少なくありません。》(人事ジャーナリスト)  

 ジャニーズ事務所関連のニュースだとつい“芸能界の闇”的な切り口を期待する向きもあるが、今回の件は「ガバナンス不全」という企業あるある話なのかもしれない。

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