そしてB子さんが病院を出て家に着く頃、さっそくLINEでメッセージが届いたという。
「メッセージは『タイプです』『好きです』という内容で、からかわれているのかなと思いました。その後は2週間に1回のペースで通っていましたが、LINEはずっと続きました。内容は職員の愚痴や『疲れた』といったもので、X氏は弱い人なんだなと思いました。ただ徐々に『次に来るときは短いスカートで』といった卑猥なものも増えていきました」(B子さん)
B子さんはX氏のアプローチを“特別扱い”だと感じたという。治療の一環で女性ホルモンを注射するようになったが、他の患者は看護師が注射するのにB子さんに対してはX氏が自ら注射を行っていた。看護師からは「B子さんはX先生のお気に入りだから」と言われていたという。
診察室のベッドで性行為を求められることも
「あるとき、注射の際に診察室でX氏がぎゅっと抱きしめてきたんです。びっくりはしましたが、信用していたし、気持ち的にX氏を頼っている部分があったので抵抗はしませんでした……。
さらにX氏から「仕事についての相談がある、人に見られたくないので外で会おうと誘われてラブホテルに入ってしまったこともあります。その頃はX氏の『死にたい』という発言がひどくなり、『自分が助けてあげないと』という思いがありました。X氏が太い注射器を私の目の前に出して『これは一発で死ねる注射』と見せてきたこともありました」(B子さん)
クリニックでの診察の際にも、診察室のベッドで性行為を求められることもあったという。通常の精神科クリニックでは、医師側が訴訟リスクを避けるために患者と2人きりにならないように配慮するケースが多い。しかしX氏の診察は「患者とX氏の2人きりが基本になっていた」(X氏のクリニックに勤務していた看護師)という。