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 B子さんは当時の精神状態を「今思うと気持ち悪い」と語る。

「振り返ると、X氏のクリニックのベッドはセミダブルで診察用とは思えないものでした。まさかそこで自分が不倫をするなんて想像もしていませんでした……。でもあの頃は精神的に参っていたこともあり、X氏を信頼してしまい、好きだと勘違いしてしまいました。卑猥なものも多かったですが毎日たくさんのメッセージが来るので親身になってくれていると。だから、エッチな下着をX氏が買ってきて着させられたりもしていましたが我慢できてしまったんです。

 今思うととても気持ち悪いのですが、あのときはそういう風に思わなかった。インターネット上でX氏の被害に遭っている人の訴えが載っていて、自分だけが特別なのではなく多くの患者に同様のことをしていたことが分かり、X氏から離れました。彼の患者が2人も自殺していることを知ったときには、あのままだったら私も追い詰められていたかもと思い怖くて仕方なくなりました」

X氏のクリニックがあった鹿児島市のビル

 B子さんのケースは、自殺したA子さんとの共通点が多い。

「エッチしたら一気に好きになるかもよ」「またお尻にワインを入れようか」

 とりわけ目立つのは、LINEの頻度だ。X氏がA子さんやB子さんと交際していた時期は重複しているが、どちらに対しても文字通り24時間LINEでメッセージを送り続けている。「彼はいつ寝ていたんだろうか」と関係者が口を揃えて証言するように、深夜も2時間おき、3時間おきにメッセージ履歴がある日も多い。しかしその連絡を、A子さんもB子さんも「特別扱い」と感じていた。

「僕の腹心になってくれますか」(X氏からA子さんへのLINE)

「自分だけが看護師ではなく先生から直接注射を打たれていた」(B子さんの証言)

B子さんに対してX氏が「僕は死に損ないました」と弱音を吐いて見せている様子

 自分を特別な存在だと感じさせた女性に対して、X氏は「死にたい」と弱みを見せるようなメッセージを送っていることも共通する。そうすると女性側は「自分が助けなくてはならない」と感じてしまうのだ。

 相互依存的な信頼関係を作ったうえで、X氏は女性たちにわいせつな要求を続けている。

「エッチしたら一気に好きになるかもよ」「短いの履いて」「いやらしい下着でしゃぶってほしい」「縛ってお尻を叩くかな」「またお尻にワインを入れようか」……。

 通常の精神状態であれば違和感を感じるこれらのメッセージも、精神状態を掌握されたうえで送られると「断れない気持ちになる」(B子さん)という。

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