目前に迫ったワールドカップカタール大会。かつて日本代表の守備の要としてチームを率いた元日本代表・森岡隆三氏に今大会の展望を尋ねた。(全3回の1回目/#2、#3を読む)
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「ドイツとスペインと戦えるのは、そうそうあることじゃない。ただただ羨ましい」
――まずは今回のメンバーについて、どのように考えていますか?
森岡 東京五輪を戦った日本代表監督も兼務してきた森保一監督は、ワールドカップへ向けて、多くの選手を率いて戦ってきました。なので、非常にたくさんの組み合わせやゲームプランがあると思います。そういうなかで、森保監督がさまざまなシミュレーションを行い、必要な選手を選出したと思います。
直前のアメリカ戦が、ワールドカップを戦う上でポイントになったのではないかと思っています。
――2022年9月23日に行われた試合で、2-0で勝利しました。
森岡 アメリカが日本に付き合ってくれたという側面もあると思いますが、それでも前線から強度の高いプレスをかけるFWの献身的な守備があり、中盤の選手はショートカウンターなどを仕掛ける。手応えのあった試合でした。日本はドイツ、スペインという格上のチームとグループリーグで対戦します。
そんな相手を前にすれば、ハイプレスというのは非常に重要になるでしょう。そういう選択で試合に入り、前半は得点ができずとも、失点を防ぎ、後半に勝負をかけるというゲームプランもあるのだと思います。
――森保ジャパンは、自分たちでボールを保持して、保持率(ポゼッション)の高い試合を志向してきたように思いますが、スペインやドイツ相手にはそれだけでは通用しないと。
森岡 でしょうね。ワールドカップ優勝国相手ですからね。普通に考えれば、相手にボールを持たれる時間は当然長くなると思います。それでも相手に自由を与えないことが重要で、そのためにはファーストディフェンダーとなるFWの守備力が鍵になるでしょうね。
――日本がドイツ、コスタリカ、スペインと同組となったカタール大会の組みあわせが決まったとき、率直にどう感じましたか?