――ドイツのサッカーデータサイト『Transfermarkt(トランスファーマルクト)』における「市場価値」2200万ユーロ(約31億6700万円)で、冨安健洋選手(英プレミアリーグ・アーセナル)と日本人首位タイとなった鎌田大地選手(ブンデスリーガ・フランクフルト)ですが、ベテラン選手不在の攻撃陣のリーダーとしても期待が集まります。
森岡 鎌田選手は非常に高い技術を備えた選手です。2017年にサガン鳥栖からフランクフルトへ移籍しました。当時は守備の課題が目につきましたが、ベルギーのシントトロイデンへレンタルされ、相当守備力が高まったと思います。
そして、2019年夏にフランクフルトに復帰してからは、ブンデスリーガだけでなく、ヨーロッパの大会でも活躍し、成長するとともに安定感も身につけました。その技術力を活かして、さまざまなポジションでいろんな仕事を任せられる選手だと思います。いろんなオプションを兼ね備え、さまざまな選手と組み合わせられるので、自然と日本代表チームの軸になっていくのではないでしょうか?
「歴代日本代表が“味わってきたもの”がきっちり知恵となり受け継がれていて欲しい」
――しかし、日本はドイツ、スペインと同組。悲観的な声も少なくないと思いますが……。
森岡 僕はただ楽しみだけですね。優勝候補とも言える国を破り、グループを勝ち上れば、日本が一気に優勝候補に躍り出る可能性もあるんですから。
――可能性はありますかね。
森岡 選手個々の能力には差があると思います。それはそれぞれの選手の年俸を見ればわかるでしょう。年俸の合計での勝負なら絶対に勝てない。でも、総合力で勝てるのがサッカーですから。そういう部分で日本は長けていると思います。指揮官や選手、現場のスタッフだけじゃなくて、いろんな意味でしっかりと整えることができるのが日本の強みだと思います。
2018年のロシア大会で決勝トーナメント1回戦。ベルギー相手に2-0でリードしていたのに、逆転されてしまった。その経験も含めて、歴代日本代表が味わってきたものがキッチリと知恵となり、受け継がれて、カタール大会に出ると信じたいですね。
――日本サッカー協会、そして森保監督も「まだ見ぬ世界へ」をテーマに、決勝トーナメント1回戦突破(ベスト8)以上を目標としています。日本のグループEはグループステージを勝ち上がると、グループFの勝ち上がりチームとの対戦です。グループFにはベルギー、カナダ、モロッコ、クロアチアがいます。
森岡 順当にいけば、ベルギーかクロアチア、カナダも気になります……。4年前の再戦が見られるのかもしれませんね。でも選手たちには、目の前の1試合、ワンプレーにすべてを注いでほしいと思います。
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