文春オンライン

「女子高生が電車でおっさんについて話していて…」創業者(55)が語る、1時間1000円で「おっさん」をレンタルできるサービスを始めたワケ

「おっさんレンタル」創業者・西本貴信さんインタビュー#1

2022/12/03
note

西本さんが考える「おっさん」へのアドバイス

西本 基本的には、最低限のこと以外はこちらから何か言うことはないですね。「おっさん」の成長を待つというか。

 レンタルがなかなか入らなくてショックを受けたりする人もいるんです。例えばベンチャービジネスで成功してるような、社会人としてはしっかりした「おっさん」なのに、なかなかレンタルが入らないとか。

 写真やプロフィールを見ると、オラオラ系に見えて敬遠されてるんじゃないかな、という感じなんです。こっちからは言わないけど、最後に僕に聞いてきた時に「写真を少し変えてみた方がいいかしれない」とアドバイスをすることはあります。

ADVERTISEMENT

――成長を見守っているんですね。

西本 僕が「このおっさんはどうなんやろうか」と思う「おっさん」が人気あったりもするからあまり口出さない方がいいのかなって。

 例えば工場勤務で出会いもなくずっと1人ぼっちだった「おっさん」で、自分を変えたいと登録してきた人。見た目は地味な感じなんですけど……声のトーンとかなのか、聞くのが上手なんでしょうね。すごく人気が出たんです。

 

 そういう風にはっきり人気が出る「おっさん」もいるけど、仮に年間10件しかレンタルがなくても人生が変わるくらいインパクトがあるらしいんです。会社でのパワハラでうつ病になった「おっさん」がこのサービスで働いて精神面で安定した例もあります。人に会うことで変わってくる。

 会費を1年分先払いしてもらっているので契約から1年経ったら継続するかメールで聞くんですけど、ほとんど100%大感謝の返事がきます。

「こんな俺でも求められてるんだ」とか、「ありがとうと言われるのが嬉しい」「悩んでいたことがスッキリした」と。多分「おっさん」って家でも会社でも、感謝される機会が少ないんですよ。

――確かに、中年になって管理職になると言われる機会が少なくなるような気もしますね。

西本 それで自分に自信がない「おっさん」というのがいるんですよね。レンタルされて自信がついてきた人は多いです。

――そうすると、当初の目的の「おっさんのイメージアップ」にはつながっているんでしょうか。

関連記事