諦めない北斗はリングに生還する。神取が北斗の左腕を踏みつけながら、「折ってやるよ」と叫ぶと北斗は「折れるものなら折ってみろ!」と口で挑発する。神取がエルボーの連打を打ち込むと、北斗は神取の頭を抑えながら張り手の連打を返す。北斗のキックを捕らえ、足関節技に移行しようとする神取。すきがあれば関節技を仕掛けてくる神取に対し、北斗が強引に逃れるというシーンが続く。
額を割り流血…その姿はまるで“赤鬼”
神取のプロレス技は実に粗削りで、ボディスラムにしてもラリアットにしても、形の綺麗さよりも痛めつけることに重きを置いてる。どこか神取のプロレスには小川直也のようなムードがある。
場外戦になると神取が本部席にツームストン・パイルドライバーを放つと、北斗は額を割り流血、大ピンチに陥る。サブレフェリーが「ギブアップか」と尋ねるとうめき声をあげながら「NO!」と叫ぶ北斗。
なんとかリングインした北斗に神取は額へのパンチ、走り込んでの顔面へのケンカキック(ビッグブーツ)を見舞う。北斗はその蹴り足を捕らえてテイクダウンさせると、場外戦に持ち込み、神取を蹂躙。鉄柵に何度も顔面をぶつける。すると今度は神取が流血する。ダメージが色濃い北斗はリングに戻る際も、鉄柵につかまり這うように戻る。
神取の顔面を踏みつけ、ケンカキックを見舞う北斗。だが神取も反撃。顔面を蹴り上げると、ブレーンバスターの体勢から場外に落とすと、プランチャを決行。リング内に戻ると腕関節で攻める。北斗の関節が極められる度、場内は悲鳴に包まれる。
続いてチキンウイング・フェースロックを狙うも北斗はロープエスケープ。だが北斗の生命力は凄まじい。神取に受け身がとりにくい低空パイルドライバーを決めると、ロープに振って顔面にスピンキックを炸裂させた。
神取は北斗の2回目のスピンキックをかわすと足関節技を狙う。北斗の流血はさらにひどくなり、赤鬼と化している。追い打ちをかける神取はDDT、三角絞め。対する北斗はブレーンバスターからダイビング・ボディプレスを決める。
とにかく神取は相手の技を極力受けずに一方的に攻めるタイプ。一方の北斗は相手の技を受けた上で倍返しするタイプ。この試合は、新日本vs UWFや異種格闘技戦のようなイデオロギー闘争のようなムードもある。
ここで神取は得意技のハイアングル・パワーボム、スイング・スリーパーからグラウンドの片羽絞めで絞め上げる。北斗はジャーマン・スープレックス・ホールド、サンダーファイヤーパワーボム、さらにトップロープに乗ってからのトぺ・コンヒーロ(形としてはスワンダイブ)、コーナーに上がり捨て身の場外ミサイルキックを敢行。ここで北斗は必殺技ノーザンライトボムを狙うも神取が腕十字で切り返す。北斗は暴れて抵抗してロープに逃れる。技術ではないガムシャラなディフェンス。
神取は続いてタイガードライバーを見舞う。北斗はそれを2カウントで返すと、神取のラリアットをブロックしてからのバックドロップホールド。しかし、これも2カウントで決まらない。
フラフラになりながらも立ち上がる両者に大声援が飛ぶ。北斗は必殺技ノーザンライトボムを放つも、2カウント。2発目のノーザンライトボムを狙う北斗だったが、なんと神取が掟破りのノーザンライトボム! 北斗は間一髪のところでキックアウトする。
互いに得意技を出した。肉体的にもボロボロで疲労困憊。ここで北斗は右フックを神取にぶちこむと、神取がゆっくりとダウン。今度は神取が右フックで北斗をダウンさせる。