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女性への接触は「生活のためでもあった」

 子どもに携わる団体の場合、ボランティアと称して子どもを性的にみてしまう人が紛れ込んでいる場合もある。NPOや福祉団体のなかでのセクシャルハラスメントも昨今、話題になることが多い。「卍會」では、会のあり方について話し合うことはなかったのだろうか。

「たとえば、『広場』で寝転がっているのはやめようとか、ボランティアをしにきているのか、飲みにきているのかわからない人がいるという話はよく出ていました。また、朝や昼までの振る舞いをどうするかという話はありました。

 でも、トー横キッズの少女やボランティアに来た女性に手を出すことを前提にしていませんでした。当然すぎて話題にもなりませんでした。しかも、子どもに手を出しているという噂があっても小川容疑者本人が明確に否定するんです。『絶対ない』と。だから、『ない』と思うじゃないですか」(同前)

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2021年夏、「広場」で撮影されたハウルと少女たちの写真(佐藤氏提供)

 小川容疑者は、「広場」に集まってくる「トー横キッズ」の少女や、ボランティア活動に集まってくる女性を、性の対象として見ていたことになる。しかも、それは自分の生活のためでもあった。

「女性を探し、一緒に住む。その繰り返しだったのです。彼は身分証を持っていない。理由があるのかどうかわからないが、契約も自分ではできない状態です。携帯電話の名義も自分ではないのです」(同前)

 生活のためというのなら、なぜお金のない未成年の少女に手を出すのか。

「体目的です。加えて、少女が家にくると、バッグの中に手を入れ、持っていた荷物を盗るらしいんです。そして、『なくしたのではないか』と言って、すぐに納得させる。結局、オークションアプリで売っていたようです。そのアカウントはもう凍結されているようですが」(同前)

 盗品については、小川容疑者の部屋に入った佐藤氏も、被害者とやりとりをして実物を確認したという。

 小川容疑者の逮捕前、周辺にいた人のなかには、少女に対して「結婚しよう」などと話していた様子を目撃していた人もいる。こうした情報は、佐藤氏をはじめ、幹部会の、メンバーの耳にも入っていたが、「冗談だろう」「嫉妬なのでは」などと感じて、信じていなかった。小川容疑者がまさか、女性を物色しているとは思っていなかったようだ。