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「4月以降、『最近の彼はちょっとおかしい。若い女の子を中心に声をかけている』という噂もあったんです。しかし、小川容疑者に反感を持っている人が攻撃的な話をしたり、好意を持っている人が嫉妬から話すこともあったんです。そういう虚実が入り混じった情報が入ってきました。例えば、『一緒に住もうよ』などと話をしているという噂もありました。彼は『冗談だよ』と笑って言っていました。ほんとに笑っていたんです。幹部は、彼に対する信頼もありました」(同前)

 佐藤氏は、被害少女や被害女性から直接相談を受けることはなかった。ただでさえ、性犯罪の被害は言いにくい。しかも佐藤氏は男性だという事情もある。

「広場」に集まる若者たちと警察官 ©渋井哲也

 さらには、「広場」にくるトー横キッズの多くには、家に帰りたくないという心情がある。警察に補導されて、児童相談所に送られると、虐待等で保護されない限りは、自宅へ戻されることになる。少女たちは警察によいイメージがなく、しかも時間を取られたくない。小川容疑者は、そんな弱みにつけ込んだともいえる。

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「『お前に帰る場所などない』。それが元幹部会のメンバーの総意です」

 卍會の解散後、メンバーたちはどうしていくのか。

「個人的に清掃活動をする人はいるでしょう。名前を変えて活動を続ける選択もありましたが、これだけの情報が出てくると、会としては存続できません。即時解散することで、世間に謝罪の意思を表明する意味もあります。今後は、小川容疑者の被害者のケアやフォローをしていく必要がありますが、今はヒアリングの段階です。ケアやフォローの方法は具体的には決まっていません」(同前)

歌舞伎町卍會による広場での清掃活動 ©渋井哲也

 小川容疑者はいずれ釈放される。関係を続けることが更生につながるのではという声もあるが、佐藤氏はこう強く断言した。

「逮捕のときの映像を見ました。彼はテレビカメラに向かって『帰ったら飯作ってやるからな』と叫んでいました。しかし、『お前に帰る場所などない』。それが元幹部会のメンバーの総意です」(同前)

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