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――現在、大崎さんが一人暮らしをしている練馬区から銀座まで、Macを背負って通っていたんですか?

大崎 78歳でMacを購入して、3年間通いました。これも娘からの提案でした。一人娘なのですが、彼女は24歳のときにロンドンへ留学して、そのまま現地で就職。ついには、旦那さんと国際結婚して、今もロンドンで暮らしています。日本に戻ってくるのは、隔年おきです。

 ですから、私がインターネットを使えるようになれば、安否確認を含め、国際電話より安価で連絡を取り合うことができる。それで「Macを買えば、通い放題のパソコン講座を受けられる」とすすめられたんですね。ずっと通えば、「お母さんでも使えるようになる」って。

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パソコン習得のモチベーションを高めたものは…

――娘さんの後押しがあったんですね。

大崎 実際に通ってみたら、すぐ楽しくなっちゃった(笑)。通い放題といっても、ウェブ上で予約を取らないといけないし、しかも1回ずつしか予約できないんです。予約、受講、予約の繰り返しね。だからひとまず、予約の取り方と、YouTubeの視聴方法だけを覚えるようにしました。どうしてもYouTubeを見たかったのよ。

©文藝春秋

――目的がはっきりしているから、一生懸命覚えることができたわけですね(笑)。

大崎 私は当時から韓流アイドルが好きで、5人のときの東方神起の動画をどうしても見たかったの。はじめてYouTubeで彼らのミュージックビデオを見たときは、「ああ、見られた!」って、うれしくてうれしくて。初めて触れるものって、一気にマスターしようと欲張らずに、一つずつ覚えていくことが大切ね。

――しかも、銀座までお出かけするから身だしなみに気を使うなど、一石何鳥にもなりそうです。

大崎 「銀座まで通う」という環境が、パソコンに向かい合うモチベーションを高めてくれたと思います。毎回、マンツーマンの授業を1時間、グループ授業を1時間受けて。教室では私が最年長だったけど、受講生は中高年の方ばかりだから、お友だちも増えるでしょ。三越の屋上に無料休憩所があるから、お菓子を持ち寄れば、あまりお金をかけずに友だちと談笑できるし。