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店内は白色が基調となる明るい雰囲気で広い。昭和30年代のメニューや溝口光幸さん撮影の筑波山の写真が飾られている。3代目の溝口光幸さんが2代目から店を継いだのが35年前。4代目が18年前から経営に参加し、約2年前から新メニューの開発などを行っている。
賑やかなメニューを眺めると…
テーブルの上にあるメニューがなんだか賑やかだ。大きなA3サイズのメニューをみてみる。茨城産の銘柄ポーク「弓豚」を使った「カツ丼」や「ソースカツ丼」もあれば、「つくば鶏親子丼」、「ハンバーグ御膳」、「カレー南ばん」、「つけカレーそば」もある。このあたりは3代目の光幸さんのメニューだ。
他にA4サイズのメニューが何枚かあるのだが、こちらが4代目の俊介さんが主に開発したメニューだ。
4代目の俊介さんになぜ新メニューの開発を進めたのか聞いてみたところ、納得できる状況がみえてきた。
「メニューを考案する仕事を私が父と交代する時期とコロナ禍がちょうど同じタイミングになったんです」と俊介さんが切り出した。俊介さんが店を手伝い始めた18年前頃から、人口の過疎化や景気の低迷が徐々に進んでいて、何かやらないと打開できないという状況だったという。そこで最初は既存メニューのポスティングや常連さんへの割引券などで状況を打破しようとしたが売上は下がる一方。そんな矢先、コロナ禍が始まった。
「お店にお客さんがほとんどいらっしゃらなくなってしまって……」相当な危機感を持ったという。