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さくさくコロッケがそばつゆに溶けて…創業93年、茨城の老舗が作る「コロッケそば」が絶品だった

2022/11/22
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 そこで、2020年3月にTwitterを開始。店の情報を毎日、投稿するようにした。すると、身近な存在だった石岡出身の人気アーティストやそのファンの方々、ラーメン関係のインフルエンサーの方々を中心に「そば処 丸三」の知名度が少しずつ各方面に広がっていったという。そして、「何かインパクトのあるメニューを作れないか」と新メニューの開発に取り組んだという。そして考案したのがまず「弓豚ラー油そば」だったという。結構ロングランヒットしているメニューだとか。

新メニューの開発秘話を語る4代目溝口俊介さん

「コロッケそば」を発売したきっかけを聞いてみると、これもまた納得の理由だった。「今年になって大学時代に大好きで学食でよく食べていたことを思い出し、自分の賄いに作ってTwitterに投稿したら思いのほか食べたいという反応が多かったんです。そこで思い切って今月から新メニューに入れてみようと決めたんです」と俊介さん。

まずは「コロッケそば(コロッケ2つ)」を注文

 コロッケは注文が入ってから揚げるスタイルだという。そこでさっそく「コロッケそば(コロッケ2つ)」(720円)を注文することにした。注文後、冷蔵庫からコロッケ種を出してフライヤーに入れて揚げ始めた。これは期待が膨らむ。待つこと5分程で「コロッケそば」が到着した。大きなコロッケが2つ、カイワレ、ナルト、若布(わかめ)がのる。薬味のネギが美しい。

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 つゆをひとくち。鰹節と昆布の出汁が香る。返しは本返しだろう、やや甘みのあるつゆが澄んでいる。コロッケははやくもつゆを吸って解(ほぐ)れだしている。壊れぬうちにガブリとひとくち。ジャガイモの甘さが口いっぱいに広がる。しかもアツアツだ。かじったところからハラハラとコロッケが溶けていく。あとはレンゲを使いポタージュのようになるまでコロッケを楽しむわけである。コロッケ2つは最高の選択だった。そして、このそばだが加水の少なめの硬めのそばでなかなかよい。

老舗店で食べる「コロッケそば」はまた格別だ
アツアツの揚げたてのコロッケがのる
コロッケが解れていく

「小弓豚カツ丼セットもりそば」を追加注文

 どうしても、冷たいそばを食べたくなったので、お店の一番人気だという「小弓豚カツ丼セットもりそば」(1030円)を追加注文した。こちらもとんかつは注文後に揚げるスタイルだが、ほどなくして登場した。「もりそば」を入れた朱の器は50年以上使用しているというから驚きだ。