その時は、ファンデをたくさん塗ることが「丁寧なメイク」だと思っていたんですね。だから失敗してしまったんですが、共著者であり美容部員のBAパンダさんにお話を聞いて、それが間違っていると知りました。
――たくさん塗るのは間違い?
吉川 私がフルメイクする時に必要だと思ってた量の半分以下でいいと教わりました。その通りにしたら格段に崩れにくくなりましたね。
「言われた通りに眉毛を描いたらびっくり…」
――BAパンダさんと一緒に今回の本を出された経緯を教えてください。
吉川 BAパンダさんは幼馴染で美容部員の仕事をしているのですが、これまで美容について聞いたことは一度もありませんでした。コロナ禍になってから、オンライン飲み会を初めて二人でやったときにポロっと「私って黙ってると怒ってるみたいに見えるんだよね」という話をしたら、BAパンダさんに「眉毛だよ」と言われて。
その場でやり方を教えてくれたんですが、言われた通りに眉毛を描いたらびっくりするぐらい印象が変わったんです。嬉しくて「聞いて聞いて!」とシェアするつもりで漫画にしてTwitterに載せたら反響が大きくて、書籍化の話に繋がった、という流れですね。
――やっぱり吉川さんと同じ悩みを持っている人が多かったんですね。
吉川 そうですね。あと「そうそうこれなんだよ!」と言ってくれる人も多かったです。うまく説明できなかった技術が、BAパンダさんによって言語化されたのがよかったのかなって思います。
BAパンダさんは頭の回転が速くて、物事を論理的に考えるタイプの人なので、ふんわりした言い方はしないんです。前提、過程、結果の順でいつもわかりやすく説明してくれて。
――「なんとなく変」の“なんとなく”の部分を言語化してくれる、と。
吉川 私がやっていた「囲み目メイク」についても「ここを大きく華やかに見せたかったんだよね」「だったらこう変えてみよう」とわかりやすく教えてくれて、「ああ、なるほど」という感じで納得して変えていけたのかなと思います。
眉毛もアイカラーも…「目からウロコ」のテクニック
――ところで、吉川さんはメイクで一番大事なパーツはどこだと思われますか。やっぱり眉毛でしょうか。
吉川 そうですね。眉毛を変えるのが一番印象が変わりやすいと思います。BAパンダさんも眉毛は流行を取り入れやすいパーツだから、「素敵だな」と思う人がどういう眉毛の形をしているか、観察してみるといいって言ってましたね。
結構、眉毛って奥が深いんですよ。引き締めたいときはキリッとした形で、カジュアルに見せたかったらちょっと優しげな形で描く。テクニックの話で言うと、枠をとって中を塗るんじゃなくて毛を一本一本描くとか、眉頭はちょっと動かすとか、いろいろあって。まだまだ修行中って感じですね。