1ページ目から読む
3/3ページ目

 母親はA子さんと話し合い、トー横に行くこと自体は認めるが、8時に帰って来るという門限を決めた。しかし門限が守られることはなかった。最初の1、2回は「ごめん、時間過ぎるけど急いで帰る」といった連絡こそあったが、その後は泥酔して立てない状態で帰って来ることも珍しくはなくなった。そして9月、ついに救急隊からA子さんがトー横広場で急性アルコール中毒で倒れたという電話が入る。

A子さんを迎えに行った時に、救急車がとまっていた場所

オーバードーズで倒れたA子さんが「広場にいきたい」

「A子が帰ってきたら夕飯を食べようと思っていた7時ごろに電話がきました。トー横へ急いで1人で向かうと、近くの交番の前に救急車が停まっていました。A子は瞳孔が開いていて、薬物を大量に摂取していると救急隊の人に言われました。とにかく頭が真っ白で、よくショックで倒れそうになるという話がありますけど、本当にそんな感じ。すぐに病院に搬送され、点滴を受けて2時間もすると回復してきたので家に帰ろうと言ったら、A子から出てきた言葉は『広場にいきたい』でした」

 翌日、母親は学校に行きたくないというA子さんを車に乗せて学校に向かった。するとA子さんは車内で「最近メンブレ(メンタルブレイク)がひどいから、病院にいきたい」と呟いた。母親は8月にトー横の出入りが発覚してから、非行に走るA子さんに通院を勧めていたというが、ようやく本人が納得してくれた。まだなんとかなるかもしれない、と母親は思っていた。(#4に続く)

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。