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 特に近年問題だと感じるのは、今までの人間関係では人目をはばかられるような過激で差別的な思想が「SNS」という、より実際の人間関係に近いプラットフォームを通じて共有できるようになったことだ。たとえ人道に反する論理であっても共感してくれる「仲間」が見つかったことで、それがさも正当性を帯びていて、多くの人々に支持されている真っ当な考え方であるように錯覚してしまう。こうしたエコーチェンバー現象は、エスカレートして暴力性を生む。

「SNS言論のエコーチェンバー化」については、2020年に日本語学者の飯間浩明氏もツイッター上で指摘している通り、これまでもSNSの発展とともに危惧されてきた問題のひとつであるといえる。

批判したい相手をカテゴライズする人々

 例えばSNS上で何かが起きた時、批判したい相手をわかりやすい属性に雑にあてはめ、カテゴライズして「ほら、あいつらやっぱりヤバイ人たちなんだよ」という風に持論の補強材料にする人たちが多く見られる。

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 最近で言えば、ひろゆき(西村博之)氏が、辺野古基地新設への抗議活動が行われている場所に掲げられた看板横でピースしながら撮った写真を、Twitterに「座り込み抗議が誰も居なかったので、0日にした方がよくない?」という文言とともにアップした件もそうだった。

 この投稿におけるひろゆき氏の一連の発言については地元で抗議活動を行なっている当事者たちの激しい反発を買っただけでなく、日本中から批判が寄せられた。もちろん、ひろゆき氏の言動を「正しい」と支持する人々もたくさんいた。

 さらにこの投稿があった4日後には、同氏が毎週金曜日にMCを務めるネットの報道番組内(ひろゆき氏の辺野古訪問に取材で同行していたのも、同番組)で「抗議の声をどう発信? ひろゆき&せやろがいおじさん」という特集が組まれた。その生放送でひろゆき氏、アナウンサー、番組コメンテーターたちが、特集ゲストとして招かれた有識者たちと議論を交わす一幕があった。

 ただ、その日実際に番組内で起こったことは到底「議論」と呼べるようなものではなく、ひろゆき氏やコメンテーターらが、ただ単に屁理屈で有識者からの批判や指摘をかわし続けたり、的外れな返答をしたりするだけのひどい有様であった。