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〈写真あり〉ヌルヌルした「ペニスフィッシュ」を食べたことも…作品が面白くなるなら何だってやる「雑食グルメ漫画家」の美学

〈写真あり〉ヌルヌルした「ペニスフィッシュ」を食べたことも…作品が面白くなるなら何だってやる「雑食グルメ漫画家」の美学

ぽんとごたんだ先生インタビュー #2

note

「ペニスフィッシュ」の衝撃

――別名ルッツ。「ペニスフィッシュ」の異名もある、無脊椎動物がテーマの下ネタ回ですね。ちなみに取り寄せをするときは、取材だと伝える?

編集S 伝えないので、先方からは「ちょっと変わったマニアックな人」だと思われていたのじゃないでしょうか。

1年かけて入手した“ペニスフィッシュ”ことユムシ

ぽんとごたんだ ユムシは最初「冷凍ものはすぐ手に入る」って言われたんですよ。でも冷凍じゃ、面白くない。捕れたまんまのものを食べないと。現地の人と同じように食べたい、というのがありましたね。

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編集K 高級食材だと、主人公の桐谷さんは高校生なのに買えるのか? みたいな話も出ます。人からもらうのか? 安く買い取ったのか? お小遣い貯めたのか? そういう背景は考えようといつも話しています。

 たとえば、67皿目の熊の手。すごく高価なんです。取り寄せようと調べると10万円くらいして、予算的に無理だと諦めました(笑)。

ぽんとごたんだ 熊1頭から2つしか取れないですしね。あれは結局桐谷さんがもらった設定にして、調べて描きました。

 取材は、普通の飲食店に行くこともよくあります。これまで行ったのは、米とサーカス、珍獣屋、ノングインレイ、上海小吃、朝起とか。「食材入ったんでまた来てください」と連絡をいただくことも。本当に色々な方に、ご協力いただいています。

編集S もともと変わったものを食べていましたし、さらにこの作品を担当していると「普通の人はどこまで食べるのか?」という境界線が曖昧になってくる。でも、普通のものをおいしいと思う感覚は残っていますよ。スネークセンターで蛇を食べたときも、結局帰りに立ち寄った旅館の飯が一番うまかったし。

ぽんとごたんだ 時間ギリギリで旅館の夜ご飯セットが食べられるぞ、ってなって。そうしたら、めっちゃうまかったですね。ただ、ヘビと旅館の飯のどっちがうまかったかと聞かれたら旅館の飯なんですけど、どっちを覚えているかと聞かれたらヘビ。ヘビの炒めもの、骨、から揚げ、うまみが強くて今でも口の中に味が蘇ってきます。調理は塩コショウとかシンプルなんですけどね。

本当に好きな食べものは…

――ほかに記憶に焼き付いている食材は?

ぽんとごたんだ そうですね……セミかな。米とサーカスで、虫の盛り合わせを食べたんですよ。セミの幼虫と成虫が、野菜と一緒に串に刺さって素揚げされている。セミの幼虫はしっかり油が入ってて食べ応えがあり、成虫はちょっと軽い。抜け感のあるから揚げというか。あれもインパクトありましたね。だから何がおいしいかと聞かれたら、セミって答えるかな。

編集T ちなみに一般的な食べものだと、何がお好きなんですか。

ぽんとごたんだ お好み焼きです。

一同 普通だ。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

〈写真あり〉ヌルヌルした「ペニスフィッシュ」を食べたことも…作品が面白くなるなら何だってやる「雑食グルメ漫画家」の美学

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