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 もう1つは、公立小学校に子どもを通わせる家庭と対比しての「しっかりとした家庭」であり、公立小学校への不満が予想されるような場合である。2000年代以降、「モンスターペアレント」と称されるような理不尽な要求をする親について、公立小学校への不安を煽りつつ、マスコミは揶揄的に取り上げてきた。小学校受験の理由として、「しっかりとした家庭」を挙げているような家庭では、以下の自由記述(「受験家庭調査」による)のように、「国立・私立小学校には、こうした(「モンスターペアレント」のような)家庭の子どもはいない(少ない)に違いない」といった期待を抱いているのではなかろうか。

 国立・私立小学校への進学を考えている保護者は、我が子の教育環境にとても興味を持っているようです。特に私立の方は、学校・家庭との連携した学習環境はもちろん、基本的な生活を大事にされているように感じます。

(2)公立小学校への明確な不満や不信

 第二に、「公立小学校への明確な不満や不信をもっている」という傾向である。図3-17からは、先ほど示した「公立小不信」因子に含まれる「公立小学校への進学に漠然とした不安や不満があるから」の該当率が全体のおよそ4分の3(全体の76.4%)を占めるだけでなく、「公立小学校への進学に明確な不安や不満があるから」の該当率も全体のおよそ3分の2(全体の68.6%)に及ぶことがわかる。

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「受験家庭調査」の自由記述にも、以下のように、公立小学校や教師に対する不安や不満が示されている。

 公立の小学校のイメージがとても悪い。子どものための学校というより、教師のための学校というイメージがある。競うことで成長する面も人にはあり、その面を避ける傾向にある公立校に問題を感じる。

 ゆとり教育から始まった教育カリキュラムのレベル低下の実状についての報道や、友人親子らからの実体験談を聞くと、公立小学校に不安を感じる。