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セレスティア 「二次元っぽい」という反応はよくいただいていて、最近は自分でも“現実離れした美しさ”を1つの目標にするようになりました。ドラァグクイーンはもともと同性愛者の男性が、女性らしさを極端に誇張した女装姿でパフォーマンスするのが主流でした。とにかく極端に大げさに装飾する方法は「CAMP」と呼ばれていて、私もその延長上にいます。自虐を絡めたユーモアでお客さんを笑わせるイメージも強いと思うのですが私はどうもそれが苦手で、「綺麗、かっこいい、美しい」方面が自分の理想に近く、かつ得意なのかなと思っています。

――たしかにドラァグの方というと強めの自虐や下ネタを織り交ぜる方も多いですよね。お店でのショーなどはどういう舞台構成なんでしょう?

セレスティア 曲に合わせて歌っているように見せる「リップシンク」が主流ですが、最近はダンスや生歌を披露される方も多いです。もちろんコミカルな芸もメジャーで、新宿二丁目に来る前にいた大阪では、パンツから取り出したちくわぶをくわえたり、電動ドライバーに人形の頭をつけてグルグル回したり。みんな好き勝手やっていますけど(笑)、お客さんが喜んだり笑ってくれれば方法は何でもいいんですよね。

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「女性になりたいと思ったことはないし、今も思っていません」

――個性の幅が広いです(笑)。セレスティアさんはどんなショーをされるのですか?

セレスティア リップシンクやダンスを披露させてもらうこともあるのですが、私はどちらかというとショーが苦手なタイプのクイーンです。新宿二丁目ではない一般的なクラブの盛り上げ役や撮影モデル、イベントのコンパニオンなどで声をかけていただくことが多いですね。

――ドラァグクイーンとしての活動を初めてどれくらいになるんでしょう。

セレスティア 2018年に就職を機に上京する少し前が初舞台だったので、5年目になります。私はセクシャリティとしてはトランスではなくゲイなので「女性になりたい」と思ったことはないし、今も思っていません。なのでドラァグクイーンになる前にいわゆる“趣味での女装”をしていた時期はないんです。

 

――興味深いです。ではどんなきっかけでドラァグクイーンとしての女装を始められたんですか?

セレスティア 大阪にも堂山町という新宿二丁目のようなゲイタウンがあるのですが、そこでできた友人に「顔も化粧映えしそうだしスタイルもいいからやってみれば」と勧めらて始めたんです。それで普段は男性として生活も仕事もしているけど、お店に出る時だけ変身する今のスタイルになりました。