――中学や高校時代の友達にも伝えなかった。
セレスティア そうですね。でも学校では楽しく過ごしていた方で、中学では水泳部、高校ではインターハイを目指すような山岳部で山に登ったりボルダリングの練習をしたりしていました。唯一困ったのが、恋愛の話。あの年頃の男子が集まったらどうしても恋愛の話になるじゃないですか。でもそこで「クラスのどの女の子が好き」みたいなことはさすがに言えなくて、いつもまごまごしていました。
――でもその頃に、初めての恋人ができたんですよね。
セレスティア 高校1年生の時に、幼稚園からの幼なじみで中学校では同じ水泳部だった女の子に、私から告白してお付き合いしました。「男性のことも好きだけど女性のことも好きになれるのでは」と思っていたんですよね。3カ月くらいで彼女とは別れることになったのですが、理由は私のセクシュアリティというよりも高校生の恋愛として単純にうまくいかなかったのだと思います。セクシュアリティが問題になったのは大学生になってからできた2人目の彼女の時でした。
「人として好きで一緒に過ごしたいんだけど、性的な興味は持てない」
――何があったのでしょう?
セレスティア 大学に入った頃には自分がだいぶゲイ寄りなこともわかってきていたんですが、講義を受けているうちにできた仲良しグループの1人の女性のことも気になっていました。彼女が別の男性と話しているのを見たら嫉妬のような感情が湧いてきて自分から告白したのですが、OKをもらった日の夜にあらためて電話をして、自分がゲイであることもカミングアウトしました。誰かに自分がゲイだと伝えたのもその女性が人生で初めてでした。
――彼女にとっては、告白されてOKしたけれど相手はゲイだと言っている、とうちょっと複雑な状況ですよね。
セレスティア 矛盾していますよね……(苦笑)。OKをもらった瞬間は嬉しかったんですが、自分のことを偽ったまま付き合うのはよくないと思って「人として好きで一緒に過ごしたいんだけど、性的な興味は持てない」と伝えました。
――どういう反応だったんでしょう。
セレスティア その電話では「わかった」と言って付き合ってくれたんですが、数カ月で「重い秘密を抱えているのがしんどい」と別れを告げられました。たしかに他の友人も含めて複数人で遊ぶ時などは2人がカップル扱いされるけれど、実際は私が男性を好きなことを1人だけが知っている。その状態が苦しかったんだと思います。彼女の気持ちも分かったので受け入れられたんですが、秘密の共有が負担になるのなら相手に迷惑をかけないためにも、もう男性としか付き合わないと心に決めました。