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――活躍されている今の姿からは想像できません。

セレスティア いや、実は今もショーはそんなに得意じゃないんです。でも私のドラァグクイーンとしての方針を決めるきっかけになったのは、シャンパンの「モエ・エ・シャンドン」のレセプションパーティーのお仕事をいただいたことでした。

――レセプションパーティーというとどんなお仕事なのでしょう。

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セレスティア 衣装を着てお客さんとお話をする仕事だったのですが、私は立っているだけで目立つので好評だったんです。「セレスティアさんはショーは大したことないけど、見た目が突き抜けてるよね」と言われたりもして(笑)、ドラァグクイーンとしてのポジションや方向性が定まった気がしました。

――単純に褒められている、というわけでもなさそうですがどんな風に受け止められたんでしょう。

セレスティア 歌やダンスが苦手でも生きていく方法があるのか、とむしろポジティブな気持ちでしたね。周りにショーが上手なクイーンは多いし、今はメイクの情報がネットに溢れていて誰もがキレイになれる。自分は笑いを取ることも得意ではない。でもそんな中で、190cmオーバーの身長という人にはない要素があった自分は幸運だなとあらためて思いました。

 

――かつてはコンプレックスだった体型が武器になった。

セレスティア そうなんです。ポートレートの撮影モデルに呼んでいただいたり、衣装デザイナーの方に「セレスティアさんにしか着られない服だから」と特別な衣装を作っていただいたり。二丁目のお店に出ていても一目で覚えてもらえますし、自分の特徴を生かした仕事をしていくうちに自信も戻ってきました。昼の仕事では営業をしているんですが、こちらもやはり1回会ったら覚えてもらえるんですよね。

「そろそろ職場の人が気が付いてくれてもいいかなとは思うんですけどね(笑)」

――ドラァグクイーンの姿しか知らないので、セレスティアさんが会社員だというのも面白いです。

セレスティア しっかり週5でスーツを着てますよ(笑)。それで金曜の夜から金土日は女装しているのであまり休みはないんですけど、働き始めてからずっとこの生活なので感覚が麻痺してるとは思います。昼の仕事をしていても移動中などにイベントで使う曲や衣装を考えたり、頭の中は常に女装のことがありますね。

 

――SNSではお写真を載せていることもありますが、職場の方はゲイであることやドラァグクイーンとして活動していることは知っているんですか?

セレスティア 知らないと思います。隠しているわけでもないんですが、わざわざ言うことでもないかな、と。本音を言えば、そろそろ気が付いてくれてもいいかなとは思うんですけどね(笑)。雑談や飲み会では「休みの日に何しているの?」とか、「彼女はいないの?」という話にどうしてもなりますけど、週末はドラァグとしてしか活動していないので話せることがないんですよね。