文春オンライン

「100人くらい殺すつもりでした」実の家族5人惨殺の兄弟(18歳・16歳)が語った「世にも恐ろしい殺人計画」《べバー家の惨劇》

『トゥルークライム アメリカ殺人鬼ファイル』 #1

note

妹を滅多刺し

 ところが、異変に気づいたのか、リビングにも彼らの部屋にも姿が見えない。

 そこで、バスルームの鍵がかかっていることに気づいたのは、マイケルだった。どうやら7歳のクリストファーと5歳のビクトリアが中に隠れているらしい。

 ナイフを片手にガチャガチャとドアノブを回すが、当然開くことはない。マイケルは一計を案じ、扉の向こうにいる2人にこう叫んだ。

ADVERTISEMENT

「ロバートに殺される! 俺も中に入れてくれ!」

 この言葉を信じたクリストファーが鍵を開けると同時に、マイケルはドアを蹴って中に押し入った。

 兄を救おうとした幼い2人に、騙されたことを理解する時間があったのかどうかは定かではない。マイケルはクリストファーの背中や胸、肩、足など計6ケ所を刺して殺害。さらにビクトリアにいたっては全身18ケ所を刺しており、バスルームには内臓が飛び散るほどだった。

写真はイメージです ©getty

 残るはあと2人。家の中を捜索してまわる2人は、父親の書斎に鍵がかかっていることに気がついた。扉の向こうから何やら話し声が聞こえてくる。中にいるのは12歳の三男ダニエルだ。

 2人の兄は、クリストファーらを殺した時と同様に、「開けてくれ、殺される!」と助けを求めて扉を開けさせ、彼にナイフを突き立てた。

 遠くからパトカーのサイレンが聞こえてきたのは、その直後のことだった。ダニエルが通報したらしい。

 慌てた2人は裏口から外へ駆け出し、近くの雑木林に身を隠したのだった。

 なお、事件の翌日。べバー家には銃と3000発の弾薬が届けられたという。

関連記事