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 他方、義理の娘との性的な関係を世間に公表したジョッシュの父スティーブンは、盗撮や児童ポルノ所持の容疑で逮捕され、刑務所に収容された。

 押収された画像や映像には、盗撮したスーザンの姿や、近所に住んでいた女の子の姿が映っていたという。

 しかし、スーザンの失踪から2年が経過しても、警察は確たる証拠を摑めずにいた。

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真相を知るすべての者がいなくなった

 事件が迷宮入りの様相を呈し始めた2012年2月5日。

 ジョッシュは、面会に訪れた2人の子供たちを、「サプライズがあるよ!」と言って自宅に招き入れた。

 その後を立会人役であるソーシャルワーカーがついていこうとすると、ジョッシュは乱暴に扉を閉ざし、ロックをかけた。慌てたソーシャルワーカーはドアベルを何度も鳴らし、「開けなさい!」と必死に声をあげた。

 やがて、家の中から子供の泣き叫ぶ声が聞こえてきた。ソーシャルワーカーはすぐに警察に通報し、子供たちの命が危ないと助けを求めた。

 パトカーの到着はまだか。ソーシャルワーカーが玄関を離れ、車道に出て首を伸ばしていたところ――突然、背後から爆音が轟いた。

 振り返ると、パウエル家の住宅が吹き飛び、黒煙をあげているのが目に映った。

 これにより、ジョッシュと2人の子供は死亡。

 子供たちの死因は「一酸化炭素中毒」と診断されたが、検視官は2人の頭と首に深い切り傷があることを確認している。

 また、その後の調査でジョッシュの遺体のそばから斧が発見されたほか、敷地内には2つのガソリン缶が見つかっている。実際、事件当時には家中にガソリンが撒かれていたことも明らかになった。

 さらに事件の前日、ジョッシュが銀行口座から7000ドルを引き出し、地元の慈善団体に子供たちのおもちゃや本を寄贈していることや、実弟のマイケルを自らの生命保険の受取人に指名していることから、人生を終わらせる準備を万全に整えたうえでの凶行だった様子が窺えた。

 疑わしき夫。そして母の失踪の現場に立ち会っていたはずの2人の子供の死により、真相を知る者は誰もいなくなった。

 しかし、まだ闇の連鎖は終わらない。

 それから1年後の2013年2月11日。

 ジョッシュの生命保険の受取人になっていた弟マイケル・パウエルは、立体駐車場の屋上から飛び降りて死亡した。

 実はマイケルはスーザンの失踪直後に、マイカーを廃車にしたことが判明している。

 その理由を警察に問われても明瞭な回答をせず、当局はマイケルがスーザンの殺害に関与していたとの見解を発表している

 そして2017年7月11日には、刑務所に入っていたスティーブン・パウエルが出所したが、彼はその翌年に心臓発作で亡くなった。

 こうして真相に近いすべての者がこの世から消え、事件は完全に藪の中へと葬り去られたのだった。

犯罪ドキュメンタリー・トーク番組「トゥルークライム アメリカ殺人鬼ファイル」

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。