〈解説〉
TBSテレビ中東支局長の須賀川拓は、ロンドンを拠点に世界各地の紛争地を飛び回り、テレビでは伝えきれないニュースの裏側を、YouTubeやSNSを駆使して発信し続けている。本作は、TBSドキュメンタリー映画祭(2022年3月開催)で上映された自身の監督作『戦争の狂気 中東特派員が見たガザ紛争の現実』を基に、さらなる取材を重ねた戦場ドキュメンタリーだ。
パレスチナのガザでは空爆で妻と4人の子供を失った男性にカメラを向け、イスラエルでは軍とイスラム組織ハマスにそれぞれの攻撃の正当性を問いかける。アフガニスタンではタリバン支配下における女性の人権問題や貧困・薬物問題に迫り、ウクライナではロシア軍の占拠で放射能汚染のリスクが激増したチョルノービリ原発などを取材。それを伝える上での自身の葛藤や戦地取材を続ける理由なども語られる。102分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★★★アフガニスタンの貧困と差別の現状に圧倒された。憐れみより怒りが……。男だけでなく女たちの真意も知りたかった。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★☆☆明らかにTVドキュメンタリーだが、世界の難しさは伝わる。アフガンの薬物地獄に息を呑む。末梢神経が震えてしまう。
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斎藤綾子(作家)
★★★★★戦場や過酷な現場を取材する日本人記者の姿が、まるで隣のお兄さんのよう。当たり前にある日常の脆さを素直に感じた。
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森直人(映画評論家)
★★★☆☆壮絶な現実の光景を捉えた映像素材の力は強い。取材記者が監督も兼ね、YouTubeの延長的な臨場感とセルフポートレート。
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洞口依子(女優)
★★★☆☆戦場記者を撮るそのカメラ。何を見つめ伝えるために彼らは存在し得るのか。観るこちら側からの視点も大事だと気づく。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
INFORMATION
『戦場記者』(TBSテレビ)
12月16日(金)より角川シネマ有楽町ほか全国順次公開
https://senjokisha.jp/