〈あらすじ〉

 1815年フランス。若き航海士エドモン・ダンテス(ピエール・ニネ)は、恋人メルセデス(アナイス・ドゥムースティエ)との結婚式当日、全く身に覚えのない罪によって突然、逮捕されてしまう。ダンテスを恨む元船長ダングラール(パトリック・ミル)、後ろ暗い秘密を持つ検事ヴィルフォール(ロラン・ラフィット)、そして親友で恋敵のフェルナン(バスティアン・ブイヨン)によって陥れられたのである。

 4年後、閉ざされた監獄でダンテスは、ファリア司祭(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)と運命的に出会う。以来、2人でトンネルを掘り続けて10年。ついに脱獄した彼を待っていたのは非情な現実だった。

 やがて6年後、十分な準備を整えたダンテスは「モンテ・クリスト伯」と名乗り、自分の人生を破壊した3人への復讐を開始する。

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〈見どころ〉

 19世紀フランスを舞台に描かれる作品世界を、こだわり抜いたロケーション、撮影、美術、衣装によって完全映像化。一方、本作オリジナルの人物設定やシーンも。

無実の罪で未来を奪われた青年が冷酷で華麗な復讐者に変貌し──

日本では“巌窟王”の名でも知られる復讐劇の金字塔を新たに映画化。本国フランスでは940万人以上動員の大ヒットに、全世界興収は1億ドルを突破。第50回セザール賞の衣装デザイン賞、美術賞受賞作。

©2024 CHAPTER 2 - PATHE FILMS - M6 - Photographe Jérôme Prébois 配給:ツイン
  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆「物語」を盲信する大河映画かと身構えたが、編集のリズムがほどよいのでストレスなく見られた。せわしさも冗長さも感じさせないのはファインプレー。ただし、長大な原作を圧縮する際の通弊で、説明的な台詞が多すぎる。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆3時間近い長編に身を浸し、ダンテスの恨みの深さや苦しみを体感せよと? 莫大な財宝を手に入れたのに、20年の歳月をかけて憎しみを清算しようとは。闇の執念が憑依しそうで怯えたが、原作とは違う清廉な結末が心地よし。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★☆☆おなじみの原型的な物語のエッセンスを、適度に現代的な再解釈と様式化で味わえる。3時間の尺はテレビドラマのミニシリーズ感覚。深みはないが、微温的な吞み込みやすさを志向している意味では学習漫画の設計に近いかも。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆読み物としても壮大な復讐物語を1本の映画作品として観ることが出来るとは! 進行はラノベ的な箇所もあるが、葉巻職人のレクトールの朗読の様な脚本の面白さ。女性陣の麗しい演技も印象を残す。

  • 今月のゲスト
    柳亭小痴楽(落語家)

    ★★★★★心のこもった手紙の演出が素敵! 愛を信じる人の目が皆とても綺麗! 壮大な復讐劇だが、如何に残酷に思えても信念は曲がらず真っ直ぐな人間だった。甲冑が映ったり決闘シーンからも武士道的精神が感じられて嬉しかった。


    りゅうていこちらく/1988年、東京都生まれ。落語家。若手真打の一人としてメディアでも活躍中。NHKラジオ第1『小痴楽の楽屋ぞめき』(毎週日曜13:05〜)メインパーソナリティー。また著書に『令和の江戸っ子まくら集』などがある。

  • 最高!今すぐ劇場へ!★★★★★
  • おすすめできます♪★★★★☆
  • 見て損はない。★★★☆☆
  • 私にはハマりませんでした。★★☆☆☆
  • うーん……。★☆☆☆☆
ダンテスによる復讐計画のキーパーソンの女性エデを、『あのこと』『タンゴの後で』『ミッキー17』など話題作への出演が続く注目の若手女優アナマリア・ヴァルトロメイが好演。
©2024 CHAPTER 2 - PATHE FILMS - M6 - Photographe Jérôme Prébois 配給:ツイン
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『モンテ・クリスト伯』
監督:マチュー・デラポルト、アレクサンドル・ド・ラ・パトリエール
原作:アレクサンドル・デュマ
2024年/仏/原題:Le Comte de Monte-Cristo/178分
公開中
https://monte-cristo.jp/