胸と背中では「露出」の高さが全然違う
RIZIN言うところの“ギリギリの交渉”と“努力”の結果、「にしたん」のロゴはレフェリーの背中には刻まれた。あの大イベントを観戦したなら覚えている人もいるだろう。しかし、「当然のことですが、常にカメラが捉えている胸と背中では『露出』の高さが全然違う」と西村氏の怒りは収まらない。
そもそも広告営業の担当者がうたった「レフェリーの胸の広告」はなぜ実現しなかったのか。RIZINはメイウェザー側が胸にロゴを出すことを嫌がったと西村社長に説明している。実際、2018年の大晦日に行われたメイウェザーVS那須川天心戦でも、レフェリーの胸に広告は出ていなかった。メイウェザーの広告に対するスタンスをRIZIN側は把握していなかったのか。
問題はあくまでRIZINの広告の売り方
「メイウェザー氏にも流儀があるでしょうし、ラスベガスのルールもあるのでしょう。そのことについて私はとやかく言うつもりはない。問題はあくまでRIZINの広告枠の売り方です。あちらは『日本人がレフェリーを務めた、メイウェザー戦以外の“前座”の3試合では契約通り胸にも広告が出たからいいだろう』と言うのですが、メイウェザーVS朝倉未来という“関ケ原”で『にしたん』の名前が出なければ莫大な広告費を払う意味がないと思いませんか。トンカツ定食を頼んだのにトンカツを出さず、『ご飯と漬物を食べ、みそ汁を飲んだんだから金を払え』と言っているようなものです。到底納得できません」
西村氏のRIZINへの不信感は高まる一方だ。
「胸に広告を入れられないことを私が知ったらキャンセルされると考え、姑息にも試合の15分前になって自分たちの落ち度を告げてきたのでしょう。実際、前日に知っていれば、100%キャンセルしましたよ」