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レフェリーの胸と背中にロゴを入れる約束で4400万円を払ったのに…

 西村社長がこれほど激昂するのも無理はない。訴状によれば、「にしたん」は試合を裁くレフェリーの胸と背中にロゴを入れる広告料金として4400万円をRIZINに払っていたという。元世界チャンピオンのプロボクサーとで総合格闘家有名YouTuberの大一番。日本中の熱視線を集める試合に自社の広告が出るとあって、「にしたん」は高い広告費を惜しまずつぎ込んだ。

RIZINが西村社長に発行した広告料金の見積書。契約と違うとして「レフェリーシャツ」の協賛金分の返金を求めている

 試合当日、西村社長は晴れ晴れしい心持で会場のさいたまスーパーアリーナに足を運んだという。席についたのは、試合が始まる15分前。そんな西村社長のもとに歩み寄ってきて「話がある」と声をかけたのは、RIZIN側の広告営業の男性担当者だった。

担当者は「ギリギリまで交渉したけどダメでした」

「試合開始直前になって『やっぱりレフェリーの胸には広告は出せません。メイウェザー側の意向です』と告げてきたのです。思わず、『は? いまさら何言ってんすか?』と声が出ちゃいましたよ」 

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ロゴを胸に入れる合意をしていたという

 耳を疑う西村社長に、担当者は続けた。

「それから悪びれた様子もなく『ギリギリまで交渉したけどダメでした』と言うんです。こちらはRIZINが売りに出した枠を安くない金額で買っているんだから、交渉も何も、広告が出るのは当然の話じゃないですか。それなのに、なぜかRIZIN側は『自分たちは汗をかいて交渉を頑張ったんだ!』というトーンを崩さない。それどころか、『背中だけは死守しましたから』と、まるで努力を認めてくれと言わんばかりの物言いで、呆気にとられている私を納得させようとするんです。いやいや、と。存在しない広告枠を売って金を振り込ませるなんて、詐欺師と一緒でしょう」