小室眞子さんが結婚しNYで暮らし始めてから約1年。皇室で皇族として生まれた女性は5名となった。皇位継承や女性宮家問題が議論される中、21歳の愛子さま、12月29日に28歳を迎えた佳子さまら、岐路に立つ女性皇族について、江森敬治さん、河西秀哉さん、矢部万紀子さんが語った対談を『週刊文春WOMAN2023創刊4周年記念号』より一部編集の上、紹介する。

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基準作りはなかなか難しい

河西 秋篠宮さまの57歳の誕生日の会見では、SNSについての話を興味深く聞きました。「私はやらないと思いますが、可能性ももちろんあり得ると思います」という趣旨の話をして、宮内庁の広報にもどかしさを感じ、自分たちから発信したいと思っているのだな、と。宮内庁のHPは、正直に言うとすごく見にくい。

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矢部 速報性もないです。

河西 もう一つ、バッシング報道などへ反論する「基準作り」に関して、ある記事をサンプルにどれくらい事実と違うことが書かれているか自分でチェックしてみた、とも言っていて、「秋篠宮さま、学者だな」と思いました。

28歳のお誕生日を迎えた佳子さま

矢部 その結果、「基準作りはなかなか難しい」という結論でした。江森さんは1998年に出版した『秋篠宮さま』の中で、「タイに愛人がいる」という週刊誌報道のことを書かれていますよね。

 秋篠宮さまは96 年の記者会見で「完全に事実と異なる報道がなされたということについては、不満を持っています」とはっきり述べた。今回は、「(基準を作り意見を言うことは)難しい」になりました。

反論により個人を傷つける可能性

江森 宮さまには親しくしているタイ人女性がいて、彼女に会いに行くのではないかという根も葉もない報道までされ、秋篠宮さまは大変、困惑されていました。

 しかし、当時は新聞、テレビ、週刊誌です。現在のようにSNSはありませんでした。SNS以降の皇室報道を考えると、当時と比較にならないほど大変だと思います。

秋篠宮ご一家

河西 発信しているのが国民というのが大きいですよね。誰かの発言に反論すると、今度はその発信者を責める人が出てくる。つまり、反論すると個人を傷つける可能性がある。

矢部 昨今だと改修工事が終わった秋篠宮邸です。総工費約30億2000万円と宮内庁が説明しましたが、「紀子さまが金やイタリア産大理石を要望した」といった報道などもあり、「現代のベルサイユ宮殿」ということになっています。