――「知らぬ者同士」だからこその不思議な人間関係ですね。
加藤 そうですね。早くコロナ以前に戻ってくれればいいんですけどね。今は喫煙所を探すのにも苦労するご時世ですけど、たまにロケ先の楽屋で吸えるところがあったりするんです。けど、あれはあまりよくないですよね。構わずバンバン吸っちゃうから。
やっぱり喫煙所で吸うぐらいが、僕としてはバランスがいいのかなって思うんです。ムダ吸いみたいなのが減って、常に美味しいタバコが吸えるし、その時間が愛しくなるというか。
「時代の流れだしわかってはいるんだけど、どこか自分のなかで…」
――加藤さんは2019年に禁煙宣言をして、すぐに撤回していますが、“ガチ”で禁煙を考えたことってないんですか?
加藤 うーん、“ガチ”はないですね。一度『いいとも』をやっているときタモリさんに「オマエ、何でタバコばっかり吸ってんだ。やめろよ」と言われて、ノリで「やめます!」って答えちゃったことがあるんです。するとタモリさんが「じゃあタバコ吸っているところ見たヤツに10万円払えよな」と言うんで、そのあと技術さんに「吸わせてください!」って本当に10万円払ったことがあります(笑)。
――近年、タバコへの風当たりは厳しいものになっています。愛煙家の加藤さん自身はその空気をどう感じていますか?
加藤 しょうがないですよね。本当に気分を害している方もいるわけですし、仕方がないことだと思いますよ。そこはもう自己責任でやっていくしかないし、世の中の風潮に抗うつもりもないんです。タバコが吸えるお店に行っても、隣に知らないお客さんがいたら、僕は「吸っていいですか?」って訊きますからね。
そういったなか『THE TOBACCO』のようなカッコいい喫煙所が増えているのは本当に面白いなって。僕がタバコを吸い始めたのは『太陽にほえろ!』のジーパン刑事の殉職シーンや『あぶない刑事』を見て、カッコいいなって思ったからなんですよ。ただもうタバコは世の中的にはカッコ悪いモノになっていて、それは時代の流れだしわかってはいるんだけど、どこか自分のなかで“カッコいい”って思いが変わらずあるんじゃないかって考えるんですよね。