じゃあその大切な時間を店名にしようと思って、1日10本ぐらいかな、1カ月間ぐらい自分の喫煙時間を計って平均を出してみたら、それが「2分50秒76」だった。もちろんあくまで長さは僕個人のことではあるんですけど、決してムダじゃない時間なんだよってことを表現したかったんです。
――加藤さんにとって日々生活する上で必要不可欠な「2:50.76」だと。
加藤 僕は仕事の前にスイッチを切り替えるために絶対に吸うんです。例えば『スッキリ』とかも、朝メイクして着替え終わって、打ち合わせの部屋に行く前に一服する。
それだけじゃなくて、妻と家のことを話しているとき「あ、これはダメだ」と雲行きが怪しいと思ったら、一回席を外してベランダに行って1本吸うんです。そこで「俺の言い方や伝え方が悪かったな」とか、約2分50秒で考えて戻ればケンカをせずに済んでいたり……。
だからタバコは僕にとっては仕事や生活を円滑に進めるものでもあるんですよ。いろんなルーティンに必要なものですね。
スナックの「このおじさん、高い酒飲んでるけど何者なんだ!?」に近かった“喫煙所という場所での感覚”
――以前、納言の薄幸さんが「テレビ局の喫煙所に行くといつも加藤さんがいて、住んでいるんじゃないか」と、おっしゃっていました。
加藤 仕事で外に出るときも、毎回マネージャーには「どこでタバコ吸えるの?」と聞いてしまいますね(笑)。
今はコロナだから会話できませんけど、以前の喫煙所は、会ったことのない芸人さんや役者さんとかと「あ、どうも」みたいな感じでしゃべることのできるいい場だったんですよね。
例えばスナックに行って、互いの立場関係なく話したりすることってあるじゃないですか。あれってすごく楽しくないですか? 「このおじさん、高い酒飲んでるけど何者なんだ!?」みたいな。僕はそういうのが結構好きなんですけど、喫煙所は近いノリがありますよね。